健康診断の結果を産業医に共有して活用する方法を解説

健康診断の結果を産業医に共有して活用する方法を解説

事業場の健康診断の結果は、産業医に共有することで有効活用できることをご存じでしょうか。健康診断の結果を産業医に共有することは、従業員の健康を守ることにつながります。

しかし、「健康診断の結果をどのように活用すればよいか分からない」「健康診断結果の提出について知りたい」という担当者の方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、産業医と協力して健康診断の結果を有効活用する方法を分かりやすく解説します。


目次[非表示]

  1. 1.健康診断は事業者の義務
  2. 2.健康診断の結果を健康管理に活用する方法
    1. 2.1.①診断区分に基づいて労働者の措置を判断する
    2. 2.2.②健康診断の結果が悪かった従業員に受診を促す
    3. 2.3.③健康に不安がある労働者の面談を行う
  3. 3.定期健康診断結果報告書の提出義務
  4. 4.まとめ


健康診断は事業者の義務

事業者は従業員に対して健康診断を実施する義務があります。健康診断は、従業員自身が健康状態を把握できるうえ、深刻な状態を未然に防ぐことができる方法の一つです。

事業者は、従業員の健康状況を踏まえて、労働衛生の問題を発見して改善を図る必要があります。

健康診断の義務は『労働安全衛生法』第66条に定められており、これに違反した場合は、50万円以下の罰金を支払わなければなりません。

健康診断の実施の目的や種類については、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご覧ください。

  職場での健康診断は義務! 実施の目的と5つの健康診断を解説 従業員の健康状態を把握して健康保持に努めるために、企業には健康診断の実施が義務付けられています。本記事では、健康診断の義務や種類、実施の目的について解説します。 first call

出典:e-Gov法令検索『労働安全衛生法』/厚生労働省 スマート・ライフ・プロジェクト『「健診」の基礎知識



健康診断の結果を健康管理に活用する方法

健康診断の結果を産業医に共有することで、従業員の健康状態の改善や維持に有効活用できます。

健康診断結果の3つの活用方法をそれぞれ解説します。


①診断区分に基づいて労働者の措置を判断する

健康診断の結果が届いたら、医師に意見を聞いて、従業員に対する適切な処置を判断してもらうことが必要です。

健康診断は、項目ごとに診断区分が記載されています。たとえば、“A異常なし”や“B軽度異常”、また“C要経過観察・生活改善”や“D要医療”、“E治療中”などです。

このような診断区分を見ただけでは、事業者が従業員に対してどのような措置が必要なのかを判断することは難しいため、産業医の視点で適切な措置の意見をもらうことが大切です。

産業医は診断区分によって、当該従業員が通常勤務を続けてよいのか、もしくは就業制限や休業を必要とするのかを助言してくれます。また、就業区分だけでなく、保健指導といって「就業は可能だが、血圧が高いので必ず受診し加療開始するように」などの指導を行っていただくことも重要です。

このように、事業者は、産業医からの意見を基に適切な措置を講じることが必要です。

出典:厚生労働省『健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針』『中小企業事業者の為に産業医ができること


②健康診断の結果が悪かった従業員に受診を促す

診断区分に“要医療”や“要受診”と記載がある場合は、医師からの意見を参考にしながら、会社側から改めて従業員へ受診をするよう促したり、必要に応じて産業医面談を実施したりします。

病院に行ったほうがよいと診断されていても、「医療費が心配だ」「受診する時間を捻出できない」など、さまざまな理由で受診を控える従業員がいるケースがあります。

事業者が受診をすすめても応じられない従業員がいる際は、産業医が面談して、受診の重要性を伝えることで受診を促せます。

出典:厚生労働省『健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針』『中小企業事業者の為に産業医ができること


③健康に不安がある労働者の面談を行う

健康診断の結果が要医療や要受診ではないものの、健康に不安がある従業員に対して産業医による面談を行うことも活用方法の一つです。

産業医の面談によって、当該従業員の生活状況をヒアリングして、健康に影響を与えるリスクを探ることができます。産業医が生活改善の方法を当該従業員に指導することで、病気の予防にもつながります。

出典:厚生労働省『中小企業事業者の為に産業医ができること



定期健康診断結果報告書の提出義務

50名以上の従業員を抱える事業場には、定期健康診断の結果を報告する義務があります。

定期健康診断の内容を定期健康診断結果報告書に記入して、所轄の労働基準監督署へ提出します。定期健康診断結果報告書のフォーマットは、厚生労働省のホームページからダウンロードできます。

報告書には、産業医の氏名・所属医療機関の名称と所在地を記入する欄があるため、産業医への確認が必要です。

なお、以前は産業医の押印も必須でしたが、2020年8月の法改正によって、現在は不要になっています。

定期健康診断結果報告書の押印・電子署名が不要になった背景やメリットについては、こちらで詳しく解説しています。

  【健康診断・ストレスチェック】産業医の押印が不要に|手続き簡略化の背景とメリット これまで、事業者が健康診断個人票や定期健康診断(以下、定期健診)、ストレスチェックなどの結果報告書を保管・提出する際は、医師や産業医による押印・電子署名が必要でした。 しかし、2020年より、押印・電子署名が不要となったことをご存じでしょうか。 この記事では、健診個人票や定期健診・ストレスチェックなどの結果報告書の保管・提出において押印・電子署名が不要になった背景、またそれによるメリットを解説します。 first call


また、定期健康診断結果報告書の記入・提出の詳しい方法については、こちらの記事をご参照ください。

  定期健康診断結果報告書とは? 記入・提出の方法を解説 常時50人以上の従業員を雇用している事業場は、常時雇用する従業員に対して、1年以内に1回の定期健康診断を実施し、定期健康診断結果報告書を所轄の労働基準監督署へ提出する義務があります。本記事では、定期健康診断結果報告書の基本概要、正しい記入方法、提出先、期限について詳しく解説します。 first call

出典:厚生労働省『労働安全衛生関係法令の押印手続の見直し』『中小企業事業者の為に産業医ができること



まとめ

この記事では、健康診断後の結果の活用方法について、以下の内容を解説しました。


  • 健康診断は事業者の義務
  • 健康診断の結果を健康管理に活用する方法
  • 定期健康診断結果報告書の提出の義務


健康診断の結果は、一度確認して終わりではなく、産業医に共有・確認してもらうことで、有効活用することが可能です。

活用する方法としては、診断区分に基づいて労働者の措置を判断することや、健康診断の結果が悪かった労働者に対する面談を行うことなどが挙げられます。

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なお、健康診断の時期や実施後の対応については、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご覧ください。

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