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信用できない産業医の特徴とは?選任し続けるリスクや対処法、見分ける方法を解説

「自社の産業医が信用できないかもしれない」というような不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。

産業医の選任は法律で義務付けられているとはいえ、その人選までは企業の裁量に任されています。しかし、信用できない産業医を選んでしまったら、労働者の健康管理はおろか、企業の生産性にも悪影響が出かねません。

信用できない産業医にはいくつかの特徴があります。例えば、コミュニケーション能力が低かったり、職場巡視を実施しなかったりなど、こういった特徴を理解しておくと、選任し続けるリスクを避けることができるはずです。

この記事では、信用できない産業医の特徴を詳しく解説するとともに、そういった産業医を選任し続けるリスクや、対処法についてもわかりやすく解説していきます。

企業にとって最適な産業医を見つけるために、ぜひ参考にしてみてください。

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目次[非表示]

  1. 信用できない産業医の特徴
    1. 職場巡視を実施しない
    2. 復職判断を主治医任せにする
    3. コミュニケーション能力が低い
    4. 労働者の健康より企業の利益を優先する
    5. 健康相談や保健指導に対して消極的
    6. 情報を一切共有しない
  2. 信用できない産業医を選任し続けるリスク
    1. 労働者の健康管理ができないことによる生産性低下と休職者増加
    2. 労働基準監督署への報告義務違反による罰則
    3. 安全配慮義務違反による訴訟リスク
    4. 企業のブランドイメージ悪化による人材確保への影響
  3. 信用できない産業医を選任してしまった時の対処法
    1. 50人未満の事業場であれば地域産業保健センターを活用する
    2. 信頼できる産業医の紹介を受けられる医師会や医療機関を活用する
    3. 人材紹介会社から産業医の紹介を受ける
  4. 信用できる産業医を選任するためのポイント
    1. 産業医選任の目的を明確にする
    2. 複数の産業医を比較検討する
  5. 信用できる産業医の見分ける方法
    1. 産業医としての経験と実績の確認
    2. コミュニケーション能力の確認
    3. 中立的な立場に立てるか見極める
    4. 労働者の声を聞く姿勢を持っているか確認する
  6. 信用できない産業医のまとめ

信用できない産業医の特徴

産業医には熱心に活動してくれる頼もしい人もいれば、そうとは言い難い人もいます。

しかし、そういった前向きでない産業医を選任していると、会社の健康リスクは高まる一方で、生産性の低下にもつながりかねません。場合によっては、法的なトラブルに巻き込まれる恐れもあります。

そこで以下では、信用できない産業医によくある特徴をピックアップして解説していきます。

  • 職場巡視を実施しない
  • 復職判断を主治医任せにする
  • コミュニケーション能力が低い
  • 労働者の健康より企業の利益を優先する
  • 健康相談や保健指導に対して消極的
  • 面談での情報を一切共有しない

職場巡視を実施しない

職場巡視は産業医が直接職場に足を運んで、労働環境や労働条件をチェックすることですが、これがとても大事な役割となります。

実際に職場を見てみないと、具体的にどういった問題があるか分かりません。現場にいる従業員の声に耳を傾けることが重要です。

そのため、職場巡視を行わない、あるいは適当に行う産業医というのは信用できません。そもそも、職場巡視は労働安全規則で毎月1回以上(状況によっては2ヶ月に1回以上)が義務付けられているにもかかわらず、守っていないことになります。

さらに悪質なのは、職場巡視を行っていないにも関わらず、あたかも実施したかのような虚偽の報告をする産業医です。事業場の健康管理体制が機能しなくなるだけでなく、明らかな法令違反となります。

会社側としては、産業医を選ぶ際に、職場巡視に対する姿勢をしっかり確認することが大切です。面接の際に、職場巡視についてどう考えているか、具体的にどの程度の頻度で行ってくれるのかを聞いておきましょう。

復職判断を主治医任せにする

見過ごされがちですが、復職判断を主治医任せにしてしまうというのも、信用できない産業医の特徴のひとつです。

そもそも、病気で休職していた労働者が職場復帰する際、主治医の「復職可」の判断だけで復職させてしまうのは危険です。なぜなら、主治医は労働者の症状が日常生活を送れるレベルまで回復したかどうかを判断するのに対し、産業医は職場で求められる業務遂行能力まで回復したかを判断するからです。

例えば、うつ病で休職している労働者がいた場合、主治医は「症状が安定したから復職しても大丈夫」と判断するかもしれません。しかし、実際の職場では残業が多かったり、対人関係のストレスがあったりと、日常生活以上の負荷がかかることも多いかもしれません。

そのような状況で主治医の判断だけで復職させてしまうと、すぐに症状が再燃してしまうリスクがあります。だからこそ、産業医には主治医とは別の視点で、労働者の状態を見極める役割があるのです。

コミュニケーション能力が低い

産業医の仕事は労働者の健康管理だけでなく、事業者への助言や関係部署との連携など、コミュニケーションを通じて成り立つ部分が大きいです。そのため、コミュニケーション能力が重要になります。

例えば、労働者との面談でただ一方的に医学的な知識を押し付けるだけで、労働者の話に耳を傾けようとしない産業医もいます。ほかにも、専門用語を並べて、労働者には理解できない説明をする産業医などです。

ですが、メンタルヘルスの不調を抱えた労働者が産業医に相談することは、とても勇気のいる行動です。心の内を話すことになるため、産業医には共感的な態度で寄り添ってもらいたいはずです。

それができない産業医では、労働者との信頼関係を築くことができません。

労働者の健康より企業の利益を優先する

産業医の役割は、何より労働者の健康を守ることです。

しかし、会社の業績や利益を優先するあまり、労働者の健康をないがしろにする産業医もいます。

例えば、長時間労働が常態化している職場で、明らかに過重労働による健康被害が出ているのに、「今は忙しい時期だから仕方ない」と言って見て見ぬふりをする産業医などです。

企業の利益を追求するためとはいえ、労働者の安全や健康を脅かすようなことを容認していたら、それは産業医の職責を全うしているとは言えません。産業医は事業者と労働者の中立の立場からアドバイスを行う必要があります。

もし企業の方針が労働者の健康を損なうものであるなら、産業医はしっかりと意見し、改善を促さなければいけません。

健康相談や保健指導に対して消極的

健康相談や保健指導に消極的な産業医は、産業医としての重要な役割を放棄していることになります。

産業医の業務は、健康診断の事後措置だけではありません。労働者への健康相談や保健指導も、産業医の重要な業務として位置づけられています。

しかし、労働者から健康の相談を受けても「自分の仕事ではない」と取り合わなかったり、保健指導の依頼があっても「忙しいから」と断ったり、そういった産業医は信用できません。

健康相談や保健指導は、未然に労働者の不調を防いだり、自律的な健康管理を促したりするために欠かせない取り組みです。それを疎かにしてしまう産業医は、後ろ向きの産業医だと言えます。

情報を一切共有しない

産業医は、労働安全衛生法第105条で守秘義務が定められています。健康診断や面接指導で知り得た労働者の個人情報を漏らしてはいけないのです。これは、労働者のプライバシーを守るためにも大切な法律です。

しかし、なにがあっても会社側に一切の情報提供をしないというのは、問題になります。

例えば、職場巡視で発見した安全衛生上の問題点や、ストレスチェックの集団分析結果など、個人が特定されない形での情報共有は必要不可欠でしょう。もしも、危険な作業環境や職場の高ストレス状態を把握していながら、会社に一切報告しないようでは、問題は改善できません。

守秘義務を疎かにするというわけではなく、労働者のセンシティブな個人情報は慎重に取り扱いつつも、職場の健康課題について会社に共有することが信頼される産業医には必要です。

信用できない産業医を選任し続けるリスク

信用できない産業医の特徴を踏まえ、そのような産業医を選任し続けることで、会社はどのようなリスクを負うことになるのでしょうか。しっかりと信用できる産業医を選任することが、経営課題のひとつでもあります。

以下では、信用できない産業医を選任し続けることで会社が抱えるリスクを、詳しく解説します。

  • 労働者の健康管理ができないことによる生産性低下と休職者増加
  • 労働基準監督署への報告義務違反による罰則
  • 安全配慮義務違反による訴訟リスク
  • 企業のブランドイメージ悪化による人材確保への影響

労働者の健康管理ができないことによる生産性低下と休職者増加

労働者の健康管理がおろそかになることで、生産性が低下することや、休職者が増加する恐れがあります。会社の業績に直結する問題となるため、非常に深刻です。

例えば、日頃から過重労働気味の部署があったとしても、産業医が職場巡視をしっかりと行っていないことでそのリスクに気づかない可能性があります。そして、その部署から次々とメンタル不調で休職する人が出始めてしまうことも考えられます。

ほかにも、下記のような問題が発生する場合があります。

  • 生活習慣病の悪化
  • 過労による事故や怪我の増加

こういった問題も、産業医が早い段階で気づけていれば防げることがあります。

中小企業は人的リソースに限りがある分、一人の休職のインパクトは大きく影響します。社員数が少ない部署なら一人休めば回らなくなることもあるため、産業医選びは慎重に行う必要があります。

労働基準監督署への報告義務違反による罰則

産業医が職務を怠ることで、会社のコンプライアンス違反につながるケースがあります。

例えば、労働安全衛生規則第52条では、常時50人以上の労働者を使用する事業者は、定期健康診断結果報告書を所轄労働基準監督署に提出しなければならないと定められています。

この報告書の作成には、産業医の協力が必要です。しかし、選任した産業医がこの報告書の提出を後回しにすることや、適当に済ませてしまう場合があります。

つまり、担当の産業医が報告書の作成を怠っていたために、会社も法的責任を問われてしまう恐れがあるということです。

それだけでなく、ストレスチェックの高ストレス者の割合を実際より低く報告したり、面接指導の実施率を水増ししたり、虚偽の報告をする産業医には注意しましょう。

安全配慮義務違反による訴訟リスク

労働契約法第5条では、「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。」と定められています。つまり、会社は労働者の安全と健康を守る責任があるということです。

この安全配慮義務を果たすためには、産業医の力が必要になります。

職場巡視で健康リスクを見つける、健康相談で不調の兆候を察知する、そういった産業医の日々の活動があることで、会社は労働者の健康を守ることができます。

しかし、信用できない産業医だと、この安全配慮義務を満たせない恐れが出てきます。例えば、過重労働の健康リスクに気づかず適切な対策を取らなかったことで、労働者が過労死してしまった場合、会社の措置が不十分だと判断されれば、遺族から安全配慮義務違反で訴えられるリスクもあります。

こういった問題があることから、信用できない産業医を雇い続けるリスクは大きく、会社の存続を揺るがす法的紛争に発展してしまう可能性があります。

企業のブランドイメージ悪化による人材確保への影響

近年は、会社選びの基準として「健康経営」への取り組みを重視する求職者も増えています。

しかし、この健康経営を実現するために重要な産業医の質が低ければ、せっかくのイメージアップ効果も無くなってしまいます。職場巡視を適当に行い、面接指導も形式的にしか実施しない産業医では、「従業員の健康なんて気にかけられていない」というネガティブな印象を与えてしまいます。

「社員の健康より利益を優先する会社」というような評判が立ってしまうと、優秀な人材は離れてしまいます。優秀な人材ほど自分の市場価値を分かっているため、健康リスクがある企業に行くメリットが無いと考えてしまいます。

信用できない産業医を選任してしまった時の対処法

自社の産業医は信用できないと気づいたものの、すぐに別の医師に変更するのは難しいという場合も多いのではないでしょうか。

契約期間の問題や、代替候補が見つからないということもあるかもしれません。とはいえ、現状を放置していては、会社の健康リスクは高まっていく一方です。そのため、信用できない産業医に悩まされていると感じたらすぐに、できる対策を取りましょう。

以下では、信用できない産業医を選任してしまった時の対処法を詳しく解説します。

  • 50人未満の事業場であれば地域産業保健センターを活用する
  • 信頼できる産業医の紹介を受けられる医師会や医療機関を活用する
  • 人材紹介会社から産業医の紹介を受ける

50人未満の事業場であれば地域産業保健センターを活用する

信用できない産業医を選任してしまったが、すぐに別の産業医に変更できない事情がある場合、労働者が50人未満の事業場であれば地域産業保健センターを活用する方法があります。

50人未満の事業場については、法律上は産業医の選任義務が定められておらず、努力義務となっています。そのため、産業医を雇えない中小企業も多いですが、だからといって労働者の健康管理を怠ってはいけません。

そこで、各都道府県に設置されている地域産業保健センターを活用しましょう。地域産業保健センターは小規模事業場の健康管理をサポートするために設けられており、労働者が50人未満の事業場であれば、登録されている医師が事業場を訪問して健康相談や保健指導などを無料で行ってくれるサービスがあります。

注意点としては、訪問できる回数や時間は限られており、医師が毎回変わる可能性もあります。そのため、自社で選任した産業医のように細かなフォローは難しいかもしれません。

しかし、信用できない産業医に頼み続けるよりは状況が改善され、少なくとも、しっかりとした医師のアドバイスが受けられます。

信頼できる産業医の紹介を受けられる医師会や医療機関を活用する

地元の医師会や医療機関に相談することで、産業医の紹介をしてもらえる場合があります。

まず、地元の医師会のWebサイトを見てみましょう。そこに、産業医の紹介窓口の連絡先が載っていることがあります。例えば、東京都の世田谷区医師会なら「産業医一覧」ページを見ることで、登録されている産業医の名前や連絡先が分かります。

医師会は地域の医療関係者のネットワークの中心なので、信頼できる産業医の情報が集まりやすく、複数の候補者を推薦してもらえるかもしれません。

ほかにも、普段から付き合いのある病院やクリニックに声をかける方法もあります。「信頼できる産業医を知りませんか?」と相談してみることで、見つかる可能性があります。

人材紹介会社から産業医の紹介を受ける

医師会や医療機関に相談する方法もありますが、適任者が見つからないこともあります。そのような時は、人材紹介会社から紹介を受けるのがおすすめです。

医療人材に強い人材紹介会社なら、企業のニーズに合わせて経験豊富な産業医を複数名ピックアップしてくれます。その中から選りすぐりの産業医候補を紹介してもらえます。

人材紹介会社を活用するメリットのひとつが、効率の良さです。自力で優秀な産業医を探すには、膨大な時間と労力がかかります。しかし、人材紹介のプロに任せることで、その手間を大幅に省くことができます。

例えば、「メンタルヘルスに詳しい先生がいい」「製造業の職場環境を知り尽くした人が良い」など、会社側の具体的な要望を伝えれば、それに適した産業医をリストアップしてくれます。

人材紹介サービスを使うには一定の費用が発生しますが、自社で求人広告を出すよりは、トータルでみれば安く抑えられる場合もあります。何より、ふさわしい人材を効率的に採用できる確率が上がることが、大きなメリットだと言えます。

信用できる産業医を選任したい際は、first callの産業医サービスがおすすめです。ご要望に合わせた産業医をご紹介し、法令に沿った業務実施のサポートが可能です。

信用できる産業医を選任するためのポイント

優秀な産業医を選任することは簡単ではありません。医師免許を持っているからといって、誰もが職場の健康管理に適任とは限らないためです。

以下では、信頼できる産業医を選任するためのポイントを詳しく解説します。

  • 産業医選任の目的を明確にする
  • 複数の産業医を比較検討する

産業医選任の目的を明確にする

信頼できる産業医を選ぶためには、まず何より「自社が産業医に何を求めているのか」という目的を明確にすることが大切です。漠然と「法律で決まっているから」という理由だけで選任すると、目的に合った人材が見つかりません。

例えば、メンタルヘルス不調による休職者が多くて困っている会社なら、「職場のメンタルヘルス対策を強化したい」という明確な目的があります。そのうえで、メンタルヘルスケアに精通した産業医を探すようにしましょう。

大事なのは、自社の健康課題と向き合い、「この問題を解決するために、産業医にどんな役割を担ってもらいたいのか」を整理しておくことです。

また、目的を設定する上では現場の声を拾うことも重要です。特に、安全衛生委員会などで挙がった課題は、産業医を選任するうえでの判断基準になります。

複数の産業医を比較検討する

最初から自社に適した産業医に出会えないケースもあります。そのため、複数の産業医と会って、比較検討することも大切です。

比較検討する際は、選択基準をしっかり持つようにしましょう。産業医を選任する目的を念頭に、どんな専門性や経験、スキルを求めるのかを具体的にリストアップしておくと比較がしやすいです。

それができたら、医師会や人材紹介会社などから「この条件に合いそうな医師」を何人か推薦してもらいましょう。

候補者たちと面談を重ねていき、履歴書や経歴だけでは分からない人柄や熱意を感じ取ることも大切です。

「first call」の産業医サービスでは、目的に合わせた産業医をすぐにご紹介できます。

信用できる産業医の見分ける方法

信頼できる産業医を見分けるためには面接で直接話をするのが一番ですが、事前に確認しておきたいポイントもあります。

以下では、既に選任している産業医や、これから選任する予定の産業医が信頼できるかどうかを見分ける方法を、詳しく解説していきます。

  • 産業医としての経験と実績の確認
  • コミュニケーション能力の確認
  • 中立的な立場に立てるか見極める
  • 労働者の声を聞く姿勢を持っているか確認する

産業医としての経験と実績の確認

選任候補となる医師が、どの程度「産業保健」の経験を積んできたのかをチェックすることが大切です。

具体的には、次のようなポイントを見ておきましょう。

  • 産業医としての経験年数
  • 担当した企業の業種や規模
  • 過去に取り組んだ産業保健活動の内容
  • 労働者の健康課題の解決に向けた実績

注意したいのが、一般の医師としてのキャリアと、産業医としてのキャリアは別であるということです。職域の健康管理には、臨床医学とは違った知見やスキルが求められるためです。

そのため、産業医の経験年数は、非常に重要な評価基準の一つだと言えます。

さらに、どういう業種や規模の事業場で産業医を務めてきたのかも大事なポイントです。自社と同じような特性を持つ企業での勤務経験があれば、現場の課題をより深く理解してくれるはずです。

コミュニケーション能力の確認

医学的な専門性が高くても、コミュニケーション能力が低いと現場の人に伝えられません。

産業医の仕事は、従業員の健康状態をチェックするだけではありません。職場巡視で見つけた問題点を経営層に説明したり、ストレスチェックの結果を受けて管理職に助言したりなど、様々な立場の人を相手に考えを伝えていく必要があります。

そのため、面接では専門用語を並べ立てる産業医は要注意です。大事なのは、相手に合わせて話の内容やトーンを使い分ける柔軟性です。

ほかにも、話を聞く姿勢も重要な評価ポイントです。会社の実情をどれだけ知ろうとしているのかなど、やりとりの中で産業医が自社の話をしっかりと受け止めようとしているかどうかを見極める必要があります。

中立的な立場に立てるか見極める

産業医は、企業側と労働者側のどちらにも偏らず、中立的な立場でいられるかどうかが重要です。

働く人の健康を守るのと同時に、企業側にとっても適切なアドバイスをする役割があります。そのため、両方の立場の利益を考えつつ、公平な判断ができるかどうかが大事です。

具体的に、下記のような点を見極められると良いでしょう。

  • 労働者の健康状態や職場の環境について、企業側にしっかりと情報共有ができるか
  • 労働者の意見や訴えに耳を傾けられるか
  • 企業側のプレッシャーに簡単に妥協せず、労働者の健康を最優先しているか
  • 自分の専門知識を基にして、公平な判断ができるか

このように、労働者と企業の両方に対する姿勢や行動をチェックしてみるのがポイントです。

労働者の声を聞く姿勢を持っているか確認する

産業医が労働者の声に耳を傾ける姿勢があるかどうかを確認しましょう。

中には、「自分は医師だから、労働者の意見なんて聞く必要ない」というように思っている医師がいるかもしれません。そういった姿勢では労働者は本音を言えず、信頼関係も築けません。

良い産業医は、労働者一人ひとりの状況をよく聞いて、問題の本質を見抜こうとします。例えば、長時間労働で体調を崩したという相談があったら、その原因を深く掘り下げて解決策を一緒に考えようとするはずです。

産業医がすべての要望に応えられるわけではありませんが、労働者の立場に立って考えようとする姿勢は必要不可欠です。そのような誠実性があるかどうかを、コミュニケーションの中で見極めていくのがポイントです。

信用できない産業医のまとめ

信用できない産業医には、重要な企業の健康管理を任せられません。

法律で選任が義務付けられているとはいえ、質までは問われていないため、選任する企業側が見極める必要があります。

そのため、産業医を選任する担当者の方は、慎重に産業医を選ぶ必要があります。医師免許を持っているだけでは不十分で、様々な要素を踏まえて総合的に判断することが大切です。

信用できる産業医を見つけることで、労働者の健康だけでなく、企業の生産性向上にもつながるはずです。

産業医の役割は非常に幅広いですが、産業保健の現場にある課題を理解している「first call」であれば、法令を守り、従業員の健康に繋がる産業医サービスが利用できます。

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遅沢 修平
遅沢 修平
上智大学外国語学部卒業。クラウド型健康管理サービス「first call」の法人営業・マーケティングを担当し、22年6月より産業保健支援事業部マーケティング部長に就任。
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