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はじめての産業医選任

最近ではコロナ禍で身の回りの環境が変化したことによるメンタルヘルス不調対応等にも注目が集まっています。*1
そんな中で労働者の健康サポートを専門的にできるのが産業医です。本記事では、初めて産業医を選任する担当者様向けに産業医についてわかりやすく解説していきます。


産業医とは

産業医とは


産業医とは労働者に対して健康に関する指導や助言を専門的立場から行う医師のことです。「職場において労働者の健康管理等を効果的に行うためには、医学に関する専門的な知識が不可欠」*2 であるとされ、労働安全衛生法という国の法律によって常時50人以上の労働者を雇用している事業所は産業医の選任義務が定められています。

これにより、労働者が健康で快適な作業環境のもとで働けるように企業側は規定に沿って産業医を選任する必要があります。


産業医の選任方法

産業医の探し方は「産業医紹介サービスの利用」「区や市の地区医師会への相談」「健康診断を実施している機関への相談」等があります。

従業員が50名を超えたら14日以内に産業医を選任しなければならないため、早めに相談する先を検討しておくと安心です。


産業医の選任義務(労働安全衛生規則第13条第1項)

各事業所の従業員数によって選任する産業医の人数等規定が異なります。初めて産業医を選任する規模(50名程度)であれば、嘱託の産業医でも良いとされています。ただし、従業員数が1000名以上の事業所になると専属の産業医を選任しなければならないため注意が必要です。*3
また、2014年に「労働安全衛生法の一部を改正する法律」が公布され、ストレスチェック実施の義務化が定められました。*4


産業医の人数ほか規定

産業医の人数ほか規定

産業医の職務

産業医を選任したら、下記のような業務を依頼する必要があります。産業医紹介サービスによっては一部の業務ができない場合もあるため、契約前に確認しておきましょう。*5


・職場巡視:50名を超える事業所では、毎月1回以上(所定の条件下では2か月に1回以上)の巡視が法令上必要です

・衛生委員会:委員会への選任・出席

・健康診断:結果に基づく措置(就業判定、従業員への指導、労基署への報告書記名など)

・ストレスチェック:実施者としての役割、高ストレス者への面接・会社への意見、労基署への報告書記名など

・長時間労働:長時間労働者に対する面接指導、その結果に基づく措置(原則として、80時間以上の残業がある方は面接指導が必要です)

・上記以外の労働者の健康管理:フィジカル/メンタル不調者、休職・復職者へのサポートなど

・健康教育、健康相談、労働者の健康の保持増進のための措置


その他にも、労働安全衛生規則では以下のような役割が示されています。

・作業環境の維持管理

・作業管理

・衛生教育

・労働者の健康障害の原因の調査、再発防止のための措置な職務

産業医の選任の他にも、企業側が対応しなければならない義務として、衛生委員会の開催義務や​衛生委員会委員の選任義務等があります。詳細については次回以降のブログで解説していきます。


まとめ

Point1. 産業医の選任方法を検討

Point2. 従業員が50名を超えたら14日以内に選任

Point3. 産業医に依頼したい業務を確認:職場巡視、健診・ストレスチェック・長時間労働のアドバイスや事後措置、体調不良者のサポートなど


first callの紹介

first callでは健康管理サービスとして、産業医面談からオンライン医療相談、ストレスチェックまでトータルサポートできるサービスを提供しています。

是非以下からお問い合わせください。
​​​​​​​https://service.firstcall.md/lp/onlineindustrialphysician


記事監修:石川陽平 株式会社Mediplat 医師/産業医


*1 新型コロナウイルス感染症に係るメンタルヘルスに関する調査の結果概要https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_15766.html

*2 厚生労働省 産業医について
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/080123-1.html

*3 厚生労働省 現行の産業医制度の概要
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/0000164723.pdf

*4 厚生労働省 平成26年6月25日公布「労働安全衛生法の一部を改正する法律」
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000049215.pdf

*5 厚生労働省 産業医ができること
https://www.mhlw.go.jp/content/000501079.pdf

遅沢 修平
遅沢 修平
上智大学外国語学部卒業。クラウド型健康管理サービス「first call」の法人営業・マーケティングを担当し、22年6月より産業保健支援事業部マーケティング部長に就任。
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