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産業医との面談を実施する目的と内容について解説

産業医は、従業員の健康保持・促進や職場環境の改善などについて、医学的な立場から助言を行い、健康に就労できるよう支援する役割を担っています。具体的には、従業員との面談や健康教育などの実施です。

しかし、この産業医面談について、「どのような目的で実施するのか分からない」「面談で何をするのだろう」などと疑問に思われる方もいるのではないでしょうか。

この記事では、産業医面談の実施目的と内容について解説します。


目次[非表示]

  1. 1.産業医面談を実施する目的
  2. 2.産業医面談を実施するケースと内容
    1. 2.1.①従業員の申し出による健康相談
    2. 2.2.②法令で義務化されている面接指導
    3. 2.3.③休業・復職時の面談
    4. 2.4.④健康診断後の保健指導
  3. 3.オンラインでの産業医面談について
  4. 4.まとめ


産業医面談を実施する目的

産業医面談を実施する目的は、従業員の健康状態・病気のリスクを把握して、治療や就業上の措置などを適切に講じることです。
従業員一人一人の健康状態は、従業員本人だけではなく、生産性や品質など、企業の経営にも関わりのある部分です。健康リスクを見逃すことのないように、専門家である産業医との面談を通じて問題点を洗い出すとともに、それぞれに合わせた対策を講じることが大切です。

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出典:厚生労働省『中小企業事業者の為に産業医ができること


産業医面談を実施するケースと内容

産業医面談を実施するケースとして、以下の4つが挙げられます。


▼産業医面談を実施するケース

①従業員の申し出による健康相談

②法令で義務化されている面接指導

③休業・復職時の面談

④健康診断後の面談


産業医には守秘義務が課せられているため、面談・面接指導によって入手した健康情報の取り扱いには注意が必要です。

なお、産業医面談で話される内容は、上記4つのケースで異なります。具体的には以下で解説します。

出典:厚生労働省『事業場における労働者の健康情報等の取扱規程を策定するための手引き


①従業員の申し出による健康相談

産業医は、従業員からの健康や体調不良に関する相談窓口としての機能を持ちます。そのため、従業員からの申し出によって、産業医との面談・相談を実施するケースがあります。

面談では、産業医は従業員の体調や病状を確認します。そして、人事・総務部門や主治医との連携を図りながら、必要に応じて就業上の措置を講じます。

出典:厚生労働省『中小企業事業者の為に産業医ができること


②法令で義務化されている面接指導

産業医による面接指導のなかには、法令によって実施が義務づけられているものがあります。

労働安全衛生法では、以下の2つの面接指導が義務づけられています。


▼法令で義務化されている面接指導

対象ケース
労働安全衛生法
1長時間労働者への面接指導
第66条の8
2ストレスチェックにおける高ストレス者への面接指導
第66条の10の3


1は、一定の時間外・休日労働を行った従業員が対象です。主に勤務状況や疲労の蓄積度、メンタルヘルス面の確認と、面談結果に基づく指導を行います。

時間に関しては、一般的に80時間以上の時間外・休日労働された方で、疲労蓄積認められる方(申出)が対象となります(この対象者には、管理者も含まれることに注意が必要です)。「申出」とありますが、会社としては申出がない場合でも面談指導をするよう努める必要があります。

なお、研究開発業務従事者や高度プロフェッショナル制度を利用されている方は100時間以上の方が対象となります。

2の対象者は、ストレスチェックの結果、高ストレス者と判断された従業員です。産業医との面談では、ストレス状況・勤務状況などを確認して、メンタル不調・健康障害を予防するためのアドバイスや就業上の措置を講じます。

出典:厚生労働省『中小企業事業者の為に産業医ができること』『過重労働による健康障害を防ぐために』『医学的知見に基づくストレスチェック制度の高ストレス者に対する適切な面接指導実施のためのマニュアル』/厚生労働省 こころの耳『長時間労働者、高ストレス者の面接指導について』/e-Gov法令検索『労働安全衛生法


③休業・復職時の面談

病気やメンタルヘルス不調などを理由に休業を希望する従業員に対しては、休業・復職時に産業医による面談を実施します。

休業・復職時の産業医面談の内容には以下が挙げられます。


▼休業・復職時の産業医面談の内容

産業医面談の実施タイミング
休業前の面談
診断書の確認、病状の確認等
休業期間中の面談
不安や悩みの相談等
職場復帰の可否判断のための面談
診断書の確認、職場復帰の意思確認、治療状況・回復状況の確認、日常生活状況の確認等


なお、復職面談についてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。

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出典:厚生労働省『心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き』/厚生労働省 こころの耳『Q1:適切な復職判定の原理原則や主治医との連携とは?


④健康診断後の保健指導

労働安全衛生規則』 第14条第1項第1号では、健康診断の結果に基づいて、従業員の健康保持のために適切な措置を取るよう義務づけられています。この措置の一つに、産業医面談による個別指導があります。

たとえば、職場で健康診断を実施する際、再検査や治療が必要と診断された場合でも、医療機関を受診しない従業員は少なくありません。

このような場合において、従業員に医療機関への受診を勧奨する、または受診ハードルを下げることを目的として、産業医面談を実施することがあります。

面談では、従業員に対する健康・生活習慣に関するヒアリングや、生活改善のための保健指導などを実施することが一般的です。

出典:e-Gov法令検索『労働安全衛生規則』/厚生労働省『中小企業事業者の為に産業医ができること



オンラインでの産業医面談について

産業医面談をはじめとする産業医の職務は、情報通信機器を用いてオンラインで実施することが認められています。産業医面談をはじめとする産業医の職務は、次の要件を満たす場合、オンラインで実施することが認められています。


▼オンラインで産業医面談を実施する際の要件

▽情報通信機器について

  • 産業医と従業員が相互に表情・声・顔色・しぐさ等を確認できて、映像や音声の送受信が安定かつ円滑に行えること
  • 情報セキュリティが確保されること
  • 面接を実施する情報通信機器の操作を従業員が容易に行えること


▽実施方法について

  • 衛生委員会等で調査審議を行ったうえで、事前に労働者に周知すること
  • 第三者に面接指導の内容が知られないように、労働者のプライバシーに配慮すること


なお、産業医面談をオンラインで実施する際は、労働者の健康管理に必要な情報を産業医に対して円滑に共有できる仕組みの構築が求められます。

オンラインでの実施により、テレワークで働く従業員や、遠方で働く従業員に対しても平等に面談を受けてもらうことが可能になります。要件の整備を含め、オンライン化を検討してみることも一つの方法です。

出典:厚生労働省『情報通信機器を用いた労働安全衛生法第66条の8第1項、第66条の8の2第1項、第66条の8の4第1項及び第66条の10第3項の規定に基づく医師による面接指導の実施について』『情報通信機器を用いた産業医の職務の一部実施に関する留意事項等について



まとめ

この記事では、産業医面談について以下の内容を解説しました。


  • 産業医面談を実施する目的
  • 産業医面談を実施するケースと内容
  • オンラインでの産業医面談について


産業医面談は、病気・健康リスクを早期発見して適切な措置を講じるとともに、仕事と治療の両立を支援することを目的としています。

従業員の申し出による健康相談をはじめ、長時間労働者や高ストレス者への面接指導、休業・復職面談、健康診断後の面談などさまざまな場面で実施します。

面談では、従業員の体調や病状、勤務状況、疲労・ストレスの蓄積度などの内容についてヒアリングを行ったのち、就業上の措置や保健指導を実施します。

なお、産業医面談は、要件を満たす場合、オンラインで実施することも可能です。

クラウド型健康管理サービス『first call』は、産業医の選任に加えて、産業医とのオンライン面談も簡単に実施できるサービスです。遠隔地にいながらオンライン上で面談・健康相談を実施できるため、産業医面談をより気軽に実施することが可能です。

「面談の希望者が多くいるけれど、産業医の時間的な制約から実施が難しい」「休業中やテレワーク中で出社が難しい」という従業員に対しても、面談を行いやすくなることが期待できます。


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