ストレスの種類とは? 上手に付き合うために企業が取り組む対処法を解説

ストレスの種類とは? 上手に付き合うために企業が取り組む対処法を解説

厚生労働省が公表している『令和3年「労働安全衛生調査(実態調査)」の概況』によると、約5割の労働者が仕事や職業生活などに関して強い不安・ストレスを抱えていることが分かっています。

企業には従業員のストレスを軽減して、心身ともに健康で働けるような取り組みが求められます。

しかし、「ストレスの原因は何か」「ストレスによってどのような不調が起こるのか」など、ストレスについてよく知らないという方もいるのではないでしょうか。

企業の人事・総務担当者は、従業員のストレス対処法を検討する前に、ストレスについての知識を深めることも大切です。

この記事では、ストレスの原因や種類、対処法について解説します。


目次[非表示]

  1. 1.ストレスとは
  2. 2.ストレスの種類
  3. 3.ストレスの対処法
    1. 3.1.問題焦点型コーピング
    2. 3.2.情動焦点型コーピング
  4. 4.まとめ


ストレスとは

ストレスとは、外部からの刺激によって体や精神などに生じる反応のことです。ストレス反応の原因となる外部刺激のことを“ストレッサー”と呼びます。

ストレッサーは、大きく3つに分類されます。


▼ストレッサーの具体例

分類
主な内容
物理的ストレッサー
気温、気圧、騒音、混雑 など
化学的ストレッサー
有害物質、薬物、アルコール、たばこ、酸素欠乏 など
心理・社会的ストレッサー
家庭・職場の不安や悩み、仕事の量・質・責任 など 


このように、さまざまな環境や状況がストレッサーとして挙げられます。また、ネガティブな出来事だけでなく、就職・結婚・出産といったポジティブな出来事がストレッサーになる場合もあります。

特に心理・社会的ストレッサーによる影響が大きいといわれており、仕事に関してストレスを受けている従業員も少なくないと考えられます。

出典:厚生労働省 e-ヘルスネット『ストレス』/厚生労働省 こころの耳『1 ストレスとは』/厚生労働省『ストレスって何?』『セルフメンタルヘルス



ストレスの種類

ストレッサーによってストレス反応が慢性化すると、心身にさまざまな症状が現れます。

ストレスは、心理的・身体的・行動的の3つの側面に分けられ、以下のような症状が見られます。


▼ストレスの種類と主な症状

種類
主な症状
心理的
抑うつ感、不安感、イライラしやすい、やる気がなくなる など
身体的
頭痛、腰痛、肩こり、動悸、食欲低下、不眠、疲れやすい など
行動的
遅刻・早退の増加、仕事でのミス増加、飲酒量・喫煙量の増加 など


ストレスには心身の不調だけでなく、遅刻や仕事のミスなど、周囲が判断しやすい症状もあります。「急に遅刻が増えた」「いつもしないようなミスが多い」など、従業員のストレスサインを見逃さないように、意識して観察することも大切です。

不調が長く続く場合には、放置せずに何らかの対処を講じる必要があります。企業には、従業員自身だけでなく、上司や管理監督者など周囲の人が不調に気づける体制づくりが求められます。

出典:厚生労働省『ストレスに気づこう』/厚生労働省 ここの耳『1 ストレスとは



ストレスの対処法

ストレスの基(ストレッサー)にうまく対処しようとすることを、ストレスコーピングといいます。

健康を維持するためには、コーピングを行いながら仕事や職場でのストレスと上手に付き合い、それぞれの状況に合わせて適切に対処することが重要です。
ここでは、2種類のコーピングと、それぞれに関連して企業が実施できる取り組みを紹介します。


問題焦点型コーピング

問題焦点型コーピングとは、ストレスの原因を明確にして、自身の努力や周囲の協力を得ながらストレッサーそのものを解消・回避する対処法です。

従業員が問題焦点型コーピングを行えるよう企業がしておくべき有効な取り組みとしては、ストレスを抱えている従業員が上司や管理監督者などに問題を相談しやすい体制・窓口をつくることが挙げられます。

ただし、社内窓口の場合、従業員が相談しづらいケースも考えられるため、産業医や外部の相談窓口の利用を促すことも一つの方法です。

また、ストレスの原因となる出来事や人などを避ける、または関わらないような業務内容・配置に変更するといったことも対処法に含まれます。

出典:厚生労働省 e-ヘルスネット『ストレスコーピング』/厚生労働省『セルフメンタルヘルス』/厚生労働省 こころの耳『相談窓口案内


情動焦点型コーピング

情動焦点型コーピングとは、ストレスの原因に対する捉え方や感情をコントロールして、ストレスをできるだけ軽減する対処法です。

対人関係がストレッサーである場合、それに対する自分の考え方や感じ方を変えたり、怒りや不満や悲しみなどの感情を誰かに話をすることで解消させたりといった行動が当てはまります。


従業員が情動的コーピングを行えるよう企業ができる取り組みとしては、ストレスを抱えた従業員の話を聞く機会をつくったり、呼吸法等のリラクセーション法やストレッチなどを導入して、考え方や気分を変える機会をつくったり、最近では瞑想やカウンセリングの場を提供することなどが考えられます。

出典:厚生労働省 e-ヘルスネット『ストレスコーピング』/厚生労働省『セルフメンタルヘルス』『ストレスに気づこう』/厚生労働省 こころの耳『15分でわかる働く人の睡眠と健康』『ストレス・コーピング



まとめ

この記事では、ストレスについて以下の内容を解説しました。


  • ストレスの概要
  • ストレスの種類
  • ストレスの対処法


ストレスは、気温やお酒、たばこ、家庭環境、仕事量など、さまざまな要因で引き起こされます。憂うつ感・イライラなどの精神的な不調だけでなく、頭痛や腰痛、仕事でのミスの増加などもストレスのサインです。

従業員のストレスに早く気づいて対処するには、相談窓口を設置したり、リラクセーション法を共有したりといった取り組みが求められます。

また、ストレスを感じている従業員がいる場合は、一人で抱え込まないように、産業医や保健師などの専門家に相談することも大切です。

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