睡眠と健康の関係性とは? 質の高い睡眠をとる3つのポイント

睡眠と健康の関係性とは? 質の高い睡眠を取る3つのポイント

従業員の睡眠不足が慢性化すると、注意力やパフォーマンスが低下して、ヒューマンエラーにつながったり、作業効率が低下したりする可能性があります。また、睡眠不足は心身の健康にも関係があるといわれています。

そのため、従業員が心身ともに健やかな状態で日々働ける環境をつくるためには、事業者が睡眠の重要性を学び、従業員への健康指導に役立てることが大切です。

そこで本記事では、睡眠と健康の関係性や、質の高い睡眠を取るために押さえておきたい3つのポイントを解説します。

健康経営に取り組みたいとお考えの人事・総務のご担当者さまは、ぜひご一読ください。

出典:厚生労働省 健康局 健康課 スマート・ライフ・プロジェクト『質のいい睡眠で、カラダも心も健康に。


目次[非表示]

  1. 睡眠と健康の関係性
    1. 身体面の影響
    2. 精神面の影響
  2. 質の高い睡眠を取るための3つのポイント
    1. ①【量】十分な睡眠時間を確保する
    2. ②【リズム】体内時計を整える
    3. ③【質】生活習慣を見直す
  3. まとめ


睡眠と健康の関係性

睡眠はこころと身体の健康に深く関係しており、慢性的な睡眠不足は、さまざまな健康問題のリスクを高めるとされています。

ここでは、睡眠不足が健康に及ぼす影響について、身体面と精神面に分けて解説します。

出典:厚生労働省 こころの耳『15分でわかる働く人の睡眠と健康』/厚生労働省 e-ヘルスネット『睡眠と生活習慣病との深い関係


身体面の影響

睡眠時間の不足は、生活習慣病に罹患するリスクを高めるといわれています。

これは睡眠時間の不足によって、体内のホルモン分泌に影響が出ることが理由です。寝不足の状態が続くと、食欲を抑えるホルモンである“レプチン”の分泌が減少して、同時に食欲を促進させるホルモンである“グレリン”の分泌が増加します。その結果、食欲の増進につながります。

寝不足が原因で食欲が増幅して、暴飲暴食してしまうことで、生活習慣病に罹患するリスクが高まると考えられています。

出典:厚生労働省 e-ヘルスネット『睡眠と生活習慣病との深い関係


精神面の影響

質の悪い睡眠や睡眠不足の状態が続くことで、ストレスを感じやすくなります。

そのような睡眠状態やストレス状態が長期的に続くと、メンタルヘルス不調につながる可能性が高まります。

また、睡眠はただ身体を休めるだけでなく、記憶や気分調節などの精神面にも大きな影響を及ぼします。

健康的な生活を送るためには、質の高い睡眠を心がけることが欠かせません。

出典:厚生労働省 e-ヘルスネット『健やかな眠りの意義



質の高い睡眠を取るための3つのポイント

心身ともに健康でいるためには、質の高い睡眠を取ることが大切です。

質の高い睡眠は、睡眠の量・リズム・質の3つのポイントが押さえられていることを意味します。

出典:厚生労働省 こころの耳『15分でわかる働く人の睡眠と健康


①【量】十分な睡眠時間を確保する

睡眠不足の状態を防ぐために、適切な睡眠時間を確保することが重要です。

適切な睡眠時間の目安は、1日にまとまった睡眠を6.5~7時間取ることです。仕事で忙しい場合であっても、1日6時間以上は睡眠を取ることが望ましいといわれています。

平日に6時間以上の睡眠を取ることが難しいという場合は、週の真ん中や週末などに睡眠時間を多く確保すると、睡眠不足の蓄積を予防します。

また、睡眠を6時間以上取ることで、以下のようなメリットが期待できます。


▼6時間以上の睡眠を取るメリット

  • 日中の眠気解消
  • ストレスの軽減
  • 憂うつ状態になるリスクの低減
  • 風邪予防


午後に眠くなってしまう場合は、昼間に15分ほどの仮眠を取り入れるという方法も有効です。

ただし、30分以上仮眠すると深い睡眠になり、その状態から目覚めるとかえって身体がだるく、頭が働きにくいこともあるため、注意が必要です。

出典:厚生労働省 こころの耳『15分でわかる働く人の睡眠と健康


②【リズム】体内時計を整える

質の高い睡眠を取るためには、“体内時計”を整えることも重要です。

体内時計がずれている状態は、“社会的時差ボケ”とよばれています。社会的時差ボケになると、睡眠の質が悪化して、不眠や眠気などの症状が現れることがあります。

体内時計には睡眠のタイミングを決める役割があり、光や食事などの要因によって左右されます。体内時計を整えるためには、一定の時刻に就寝・起床するとともに、朝に光を浴びたり、食事を摂ったりすることが重要です。


▼体内時計を整えるポイント

  • しっかりと朝食を取る
  • 在宅勤務の場合は、午前中に窓際やベランダで日光を浴びる
  • 残業で夕食が遅くなる場合は、分食(夕食を分けて夕方の早めの時間帯に食べる)を心がける
  • ブルーライトを浴びないように、ベッドに入る90分前にはスマートフォンやパソコンなどの画面を見ないようにする
  • 寝室を月明かり程度の暗さにする
  • 心地よいと感じる温度・湿度に寝室を調整する


出典:厚生労働省 こころの耳『15分でわかる働く人の睡眠と健康』/厚生労働省 e-ヘルスネット『快眠と生活習慣


③【質】生活習慣を見直す

睡眠だけでなく、食事や運動、入浴などの毎日の習慣を見直すことも重要です。

また、毎日適度な運動を続けることは、睡眠のリズムを整えるほか、ストレスの解消や生活習慣病の予防にもつながります。

不規則な食事習慣は、睡眠状態を悪化させてしまうため、食事の摂り方や食べ物・飲み物の選択などにも配慮が大切です。


▼生活習慣を見直すポイント

  • 週に2・3回は20~30分程度の散歩やランニングを行う
  • 就寝の2~3時間前に入浴する
  • 夕方以降にコーヒーや紅茶などカフェインを摂取しない
  • 就寝前の喫煙・多量の飲酒は控える


出典:厚生労働省 こころの耳『15分でわかる働く人の睡眠と健康』/厚生労働省 e-ヘルスネット『快眠と生活習慣』/スポーツ庁『プラス「10」分のウォーキングから始めるストレス対策



まとめ

この記事では、睡眠について以下の内容を解説しました。


  • 睡眠と健康の関係性
  • 質の高い睡眠を取る3つのポイント


睡眠は心身の健康に密接に関係しており、睡眠不足や不眠は、生活習慣病やメンタルヘルス不調などの健康リスクにつながります。

このようなリスクを防ぐには、適切な睡眠時間を確保するとともに、体内時計を整えて、食事や運動などの生活習慣を見直すことがポイントです。

人事・総務のご担当者さまは、睡眠の正しい知識や重要性について従業員に教育指導を行い、健康意識の向上を促すことが求められます。

睡眠の問題を抱えている従業員に気づき、質の高い睡眠がとれるようにサポートしたり、専門医に相談しやすい環境を整えたりすることも重要です。

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遅沢 修平
遅沢 修平
上智大学外国語学部卒業。新卒で大手証券会社入社。 その後、スタートアップ企業への転職を経て、2020年4月にメドピアに入社(Mediplat出向)。 クラウド型健康管理サービス「first call」の法人営業・マーケティングを担当し、22年6月より産業保健支援事業部マーケティング部長に就任。
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