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離職防止の取り組みと対策!離職率を下げるための具体的な改善方法

社員の離職が増えており、人材の定着が課題となっている企業も多いのではないでしょうか。

社員が辞めてしまうと、新しい人を採用して一から教育をしなければならないだけでなく、残った社員の仕事が増え、チームの雰囲気も悪くなりがちです。

特に最近は人材不足で、新しい人を採用するのも難しい状況です。このまま対策を取らないと、さらに社員が辞めていってしまう可能性もあります。

しかし、適切な対策を取ることで防げる離職もあります。

社員が辞めたいと考える理由を理解し、早めに対応することで、大切な人材を守ることができるのです。

この記事では、人事担当者の方に向けて、社員が退職を考える理由や、具体的な防止策、離職のサインの見つけ方まで、実務で使える内容をまとめました。

すぐに始められる対策から、じっくり取り組む施策まで、段階的に実践できる方法を紹介します。自社の離職率を下げ、社員が長く活躍できる職場づくりにお役立てください。

また、優秀な人が辞めてしまう前のメンタルヘルス対策は産業医との連携が効果的です。産業医の役割は非常に幅広いですが、産業保健の現場にある課題を理解している「first call」であれば、法令を守り、従業員の健康に繋がる産業医サービスが利用できます。

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目次[非表示]

  1. 離職防止が必要な理由
    1. 採用活動にかかる費用と時間のロスを防げる
    2. 社員の仕事の質と生産性を維持できる
    3. 新入社員の教育コストを無駄にしない
    4. 残った社員への業務負担の増加を防げる
    5. 会社の成長スピードを維持できる
    6. チームの士気低下を防げる
  2. 離職が起こる原因
    1. 仕事内容が説明と違うと感じている
    2. 残業が多く休みが取りにくい
    3. 上司や同僚との人間関係に悩みがある
    4. 給与や評価に納得できない
    5. 会社の将来性に不安を感じている
    6. 自分の成長が実感できない
    7. 希望する部署や仕事に就けない
    8. ワークライフバランスが取れない
    9. パワハラやセクハラの問題がある
  3. 会社が取り組むべき離職防止対策
    1. 入社前に仕事内容を詳しく説明する
    2. 定期的な1on1面談で社員の声を聞く
    3. 新入社員にメンター制度を導入する
    4. 残業時間を減らす仕組みを作る
    5. 社員の頑張りを正しく評価する
    6. 育児や介護と仕事の両立を支援する
    7. リモートワークなど柔軟な働き方を認める
    8. 社員同士が交流できる機会を増やす
    9. 管理職向けのマネジメント研修を実施する
  4. 離職の可能性が高い社員の特徴
    1. 遅刻や欠勤が急に増えている
    2. 普段より早く帰るようになった
    3. 表情が暗く元気がなくなった
    4. 会議での発言が減っている
    5. 新しい仕事を避けるようになった
    6. 昼食を1人で取るようになった
    7. 有給休暇を突然取るようになった
    8. 職場の飲み会を避けるようになった
  5. 離職防止のよくある質問
    1. 退職の意思を示された社員への対応は?
    2. 部下が突然辞めたいと言い出したらどうすべき?
    3. 引き留めるべき人材かどうかの判断基準はある?
    4. どこまで引き留めの交渉をすべき?
    5. 給与アップ以外の引き留め策はある?
  6. 離職防止のまとめ

離職防止が必要な理由

社員の離職は企業にとって大きな問題です。「今年に入って3人目の退職者が出た」「せっかく育てた若手が辞めてしまう」という声も多く聞かれます。

離職によって、次のような影響があります。

【離職が企業に与える影響】

  • 採用活動にかかる費用と時間のロスを防げる
  • 社員の仕事の質と生産性を維持できる
  • 新入社員の教育コストを無駄にしない
  • 残った社員への業務負担の増加を防げる
  • 会社の成長スピードを維持できる
  • チームの士気低下を防げる

以下で、具体的な理由を詳しく解説していきます。

採用活動にかかる費用と時間のロスを防げる

離職を防ぐことで、新たな採用にかかる多額の費用と時間を節約できます。

人材の採用には、求人広告費や人材紹介会社への手数料など、目に見える費用だけでなく、さまざまな隠れたコストが発生します。

株式会社リクルートの「就職白書2020」によると、1人あたりの採用にかかる費用は新卒採用で93.6万円、中途採用で103.3万円となっています。

さらに、採用担当者が通常業務を後回しにしなければならない機会損失や、面接に関わる社員の時間的コストなども考慮する必要があります。

社員の仕事の質と生産性を維持できる

離職を防ぐことで、チーム全体の業務品質と生産性の低下を防ぐことができます。

社員が退職すると、その影響は人員が減るだけではありません。

長期間築いてきた顧客との関係性、チームの連携など、数字では測れない要素が失われていきます。

特に優秀な社員が退職した場合、影響は組織全体にまで広がる恐れがあるため、元に戻るまでには長い時間が必要になる場合があります。

新入社員の教育コストを無駄にしない

新入社員を一人前に育てるには、多くの時間とお金がかかります。せっかく育てた人材が辞めてしまうと、今までの努力が無駄になってしまいます。

新入社員は、入社してすぐに仕事ができるわけではありません。ビジネスマナーから始まり、会社のルール、仕事の進め方まで、一つずつ学んでいく必要があります。

この間、先輩社員は自分の仕事をしながら、新入社員の指導にも時間を使います。

また、研修にかかるお金も決して少なくありません。社内研修の準備や外部研修への参加など、会社は新入社員の成長のために大きな投資をしています。教える側の先輩社員も、通常の仕事を調整しながら指導の時間を作っています。

残った社員への業務負担の増加を防げる

社員が退職すると、残された社員の仕事が増え、負担が大きくなってしまいます。離職を防ぐことで、こうしたマイナスの連鎖を止めることができます。

退職者が担当していた仕事は、残された社員で分担することになります。しかし、もともと自分の仕事で手一杯の状態なのに、さらに仕事が増えることで大きなストレスを感じてしまいます。

こういった状態が続くと、残業が増えたり休みが取れなくなったりするだけでなく、心身の疲れも溜まってきます。その結果、仕事の質が下がったり、新しい挑戦に消極的になったりすることもあります。

会社の成長スピードを維持できる

社員の離職は、会社の成長にブレーキをかけてしまいます。離職を防ぐことで、会社が目指す成長スピードを保つことができます。

会社が成長するためには、社員一人ひとりの力を合わせる必要があります。しかし、次々と社員が辞めてしまうと、新しい取り組みを始める余裕がなくなってしまいます。

また、新しい目標に向かって進もうとしても、人手不足で日々の仕事をこなすのが精一杯になってしまいます。

その結果、競合他社との差が開いてしまったり、お客様のニーズに応えられなくなったりする可能性もあります。

チームの士気低下を防げる

一人の退職は、残されたメンバーにも大きな影響を与えます。離職を防ぐことで、チーム全体の前向きな雰囲気を保つことができます。

社員が退職すると、残されたメンバーの間に「この会社は大丈夫なのだろうか」「自分も辞めた方がいいのでは」という不安が広がりやすくなります。

特に、頼りにしていた先輩や、一緒に頑張ってきた同期が辞めてしまうと、その影響は大きくなります。

また、休憩時間の会話や仕事後の交流が減ることで、職場の雰囲気も少しずつ変わっていきます。チームでの一体感が薄れ、仕事への意欲も下がってしまうのです。

離職が起こる原因

「なぜ社員は退職を考えるのだろう」と、人事担当者なら誰もが感じる悩みではないでしょうか。

退職を考える理由には、次のようなものがあります。

【社員が退職を考える主な理由】

  • 仕事内容が説明と違うと感じている
  • 残業が多く休みが取りにくい
  • 上司や同僚との人間関係に悩みがある
  • 給与や評価に納得できない
  • 会社の将来性に不安を感じている
  • 自分の成長が実感できない
  • 希望する部署や仕事に就けない
  • ワークライフバランスが取れない
  • パワハラやセクハラの問題がある

特に最近は働き方に対する価値観も変化し、単に給与が良いだけでなく、「働きがい」や「生活との両立」を重視する傾向も強まってきています。

以下では、社員が退職を考える具体的な理由について詳しく解説していきます。

仕事内容が説明と違うと感じている

入社前に聞いていた仕事の内容と、実際の仕事が違うと感じることは、離職の大きな原因の一つです。

採用時の説明と実際の仕事にギャップがあると、社員は「騙された」という気持ちを抱きやすくなります。例えば、「企画の仕事がメイン」と聞いて入社したのに、実際は事務作業が中心だった場合などです。

このように仕事内容に違いを感じると、自分の強みや経験を活かせないもどかしさや、期待していた成長が望めないという不安が生まれます。特に、前向きな気持ちで入社した社員ほど、このギャップに大きな失望を感じてしまいます。

残業が多く休みが取りにくい

長時間の残業や休暇が取りにくい環境は、社員の心と体を疲れさせ、離職につながります。

いくら給料が良くても、毎日遅くまで働き続けることは、社員の生活に大きな影響を与えます。例えば、家族と過ごす時間が減ることや、趣味や自己啓発の時間も取れなくなってしまうようなことが考えられるでしょう。

また、有給休暇が取りにくい雰囲気があると、リフレッシュする機会が無くなり、ストレスが溜まってしまいます。「休んだら周りに迷惑がかかる」と考え、体調が悪くても我慢して出勤する人も少なくありません。

上司や同僚との人間関係に悩みがある

職場での人間関係の悩みは、仕事への意欲を下げ、離職の大きな原因となります。

1日の大半を過ごす職場で、上司や同僚との関係に悩むことは大きなストレスに繋がります。特に直属の上司との関係が良くないと、普段の仕事に支障が出るだけでなく、精神的な負担も大きくなります。

また、チーム内でのコミュニケーションが少ない場合、「自分だけが置いていかれている」という孤立感を感じることもあります。仕事の相談もしづらく、小さな悩みが大きな問題に発展することも少なくありません。

給与や評価に納得できない

自分の頑張りや成果が正当に評価されていないと感じると、働く意欲が下がり、転職を考えるきっかけとなります。

誰でも自分の仕事ぶりを認めてほしいと思っています。しかし、成果に見合った評価や給与をもらえないと感じると、「頑張っても意味がない」という気持ちになります。

特に、同じような仕事をしている同期と比べて給与に差がついたり、頑張って結果を出しても評価が変わらなかったりすると、不満が募ってきます。また、評価の基準が不明確だと、どうすれば評価されるのか分からず、モチベーションが下がっていきます。

会社の将来性に不安を感じている

会社の成長が見えづらかったり、業績が下がっていたりすると、将来への不安から退職を考える社員が増えていきます。

自分の将来を考えたとき、その会社で働き続けることができるのか、給料は上がっていくのか、というのは誰もが気になる点です。会社の業績が伸び悩んでいたり、競合他社に遅れを取っていたりすると、自分の将来も不安になっていきます。

特に、経営層からの明確な説明がない場合、社員の不安は大きくなりやすいものです。

「このまま残っていて大丈夫だろうか」「今のうちに転職した方が良いのではないか」という気持ちが芽生えるのです。

自分の成長が実感できない

仕事を通じて新しいことを学べない、スキルが伸びていかないと感じると、特に若手社員は転職を考え始めます。

多くの社員は、仕事を通じて成長したい、新しいことにチャレンジしたいと考えています。

しかし、毎日同じような仕事の繰り返しで新しい経験を積む機会が少ないと、仕事を単調に感じてしまいます。

例えば、研修の機会が少なかったり、新しい仕事に挑戦させてもらえなかったりすると、「このままでは取り残されてしまう」という焦りも出てきてしまいます。特に意欲の高い社員ほど、自分の成長を実感できないことにストレスを感じやすいものです。

希望する部署や仕事に就けない

やりたい仕事や希望する部署で働けないと感じると、モチベーションが下がり、転職を考えるきっかけとなります。

入社時や異動の際に希望を出しても、会社の都合で違う部署に配属されることは少なくありません。

そうなってしまうと、「自分の希望は考慮されていない」と感じ、仕事への意欲が下がっていきます。

また、「3年後には企画部門で働きたい」といった将来の希望が会社で実現できそうにないと分かると、転職という選択肢を考え始める人もいるでしょう。自分のキャリアプランと会社での現実のギャップが大きいほど、その気持ちは強くなります。

ワークライフバランスが取れない

仕事と私生活のバランスが崩れてしまうと、心身の疲れが溜まり、長く働き続けることが難しくなります。

共働き世帯が増え、育児や介護との両立が必要な社員も増えています。しかし、仕事の量が多すぎたり、急な残業が多かったりすると、家庭内で過ごす時間が少なくなってしまいます。

ほかにも、最近では副業や自己啓発の時間も大切にしたいと考える社員も増えています。「仕事だけの生活」ではなく、充実した私生活も送りたいという思いは、特に若い世代に強く見られます。

パワハラやセクハラの問題がある

ハラスメントは人の心を大きく傷つけ、働く意欲を損なわせます。

その結果、多くの場合、退職という選択しか残されなくなってしまいます。

パワハラやセクハラは、受けた人の心に大きな傷をつけることになります。「怒鳴られる」「人格を否定される」といった行為は、日常的に続くと精神的な健康が損なわれるのです。

また、ハラスメントを受けても、「言い返したら更に酷くなるのでは」「相談したら職場で居づらくなるのでは」と思い、誰にも相談できないまま一人で悩んでしまうことも多いのです。

会社が取り組むべき離職防止対策

社員の離職を防ぐには、会社としての具体的な取り組みが欠かせません。

早期離職を防ぎ、社員が長く活躍できる環境を作るためには、採用時からの丁寧な対応や、働きやすい職場づくりなど、様々な施策が必要です。

会社が取り組むべき対策には、次のようなものがあります。

【離職を防ぐための主な対策】

  • 入社前に仕事内容を詳しく説明する
  • 定期的な1on1面談で社員の声を聞く
  • 新入社員にメンター制度を導入する
  • 残業時間を減らす仕組みを作る
  • 社員の頑張りを正しく評価する
  • 育児や介護と仕事の両立を支援する
  • リモートワークなど柔軟な働き方を認める
  • 社員同士が交流できる機会を増やす
  • 管理職向けのマネジメント研修を実施する

これらの対策は、一度に全てを実施する必要はありません。自社の状況に合わせて、できるところから少しずつ取り組んでいくことが大切です。

以下では、会社が取り組むべき具体的な対策について詳しく解説していきます。

入社前に仕事内容を詳しく説明する

採用時に仕事内容をしっかりと説明し、入社後の「こんなはずじゃなかった」というギャップを防ぎましょう。

入社後の仕事内容と説明が違うことは、早期離職の大きな原因となります。説明が不十分だと、入社した社員は期待と違う現実に戸惑ってしまい、モチベーションが下がってしまいます。

大切なのは、仕事の魅力的な部分だけでなく、大変な部分も含めて正直に伝えることです。仕事の全体像を理解した上で入社を決めてもらうことで、入社後のミスマッチを防ぐことができます。

定期的な1on1面談で社員の声を聞く

上司と部下が定期的に話し合う機会を作ることで、社員の悩みや不満を早めに見つけ、対応することができます。

日々の業務に追われていると、社員一人ひとりの気持ちに目を向ける余裕がなくなりがちです。しかし、社員の小さな変化に気付かないでいると、突然の退職に繋がる恐れがあります。

1on1面談は仕事の進み具合を確認するだけでなく、社員の本音を聞く大切な機会です。

特に「最近どう?」「困っていることはない?」といった何気ない会話から、重要な問題が見つかることもあります。

新入社員にメンター制度を導入する

新入社員一人ひとりに先輩社員がメンターとしてつくことで、働きやすい環境を作り、早期離職を防ぐことができます。

新入社員は分からないことだらけで、誰に相談したらいいのか迷うことも多いものです。特に直属の上司には「こんな質問をしたら怒られるかも」と気を遣ってしまい、困ったことがあっても相談できない場合があります。

メンター制度があれば、仕事の相談だけでなく、職場での人間関係や将来のキャリアについても気軽に話せる先輩がいることで、安心して働くことができます。

残業時間を減らす仕組みを作る

長時間労働は離職の大きな原因です。残業を減らすための仕組みを作ることで、社員の健康と生活を守ることができます。

毎日遅くまで働くことで、社員の心と体に大きな負担をかけます。仕事に追われて家族との時間も取れず、趣味や休養の時間も無くなってしまうのです。

残業が多いと「いつまでこの生活を続ければいいのか」と不安になり、「ワークライフバランスの取れる会社に転職しよう」と考え始める社員も増えてきます。

社員の頑張りを正しく評価する

社員が「頑張りが認められている」と実感できる評価の仕組みを作ることで、働く意欲を高め、長く活躍してもらうことができます。

どんなに一生懸命働いても、それが評価されないと感じると、モチベーションは下がっていきます。特に、評価の基準が不明確だったり、上司によって評価にばらつきがあったりすると、不公平感が生まれやすくなります。

また、頑張った成果が給与に反映されないと、「この会社では努力が報われない」と感じ、転職を考えるきっかけになるでしょう。

社員の成長や貢献を、しっかりと評価に結びつける仕組みが必要です。

育児や介護と仕事の両立を支援する

育児や介護の負担を抱える社員が安心して働き続けられる環境を作ることで、貴重な人材の離職を防ぐことができます。

育児や介護の必要がある社員は、「仕事を続けたいけれど、両立が難しい」という悩みを抱えがちです。特に保育園の送り迎えや急な子どもの病気、親の通院への付き添いなど、予定が立てにくい状況も多くあります。

必要な支援がないと「仕事か、家庭か」のどちらを取るか迫られ、やむを得ず退職を選ばざるを得なくなってしまいます。

リモートワークなど柔軟な働き方を認める

一人ひとりの生活に合わせた働き方を選べることで、仕事を続けやすい環境を作ることができます。

社員の生活スタイルは様々で、子育てや介護、自己啓発など、仕事以外にも大切にしたいことが多くあるのです。決まった働き方だけでは、こうした生活との両立が難しくなってしまいます。

特に最近では、通勤時間の短縮や効率的な仕事の進め方を重視する人が増えています。柔軟な働き方を認めることで、「この会社なら長く働き続けられそう」と感じてもらえます。

社員同士が交流できる機会を増やす

職場の人間関係を良くすることは、離職を防ぐ大きな要素となります。気軽に話せる場を作ることで、働きやすい環境が生まれます。

仕事上の付き合いだけでは、本当の意味での信頼関係は築きにくいものです。特に最近は在宅勤務も増え、同じ職場でも顔を合わせる機会が減っています。

良好な人間関係があれば、仕事の相談もしやすく、困ったときに助け合える雰囲気が生まれます。また、職場に「居場所がある」と感じることで、仕事への意欲も高まります。

管理職向けのマネジメント研修を実施する

上司の育成も離職防止では非常に重要です。管理職がより良いマネジメントを学ぶことで、働きやすい職場を作ることができます。

「上司が原因で辞める」というケースは決して少なくありません。部下への接し方が分からない、コミュニケーションが一方的、といった問題は、研修で改善できる可能性があります。

また、部下の成長を支援したい、より良い職場を作りたいと考えている管理職も多いものです。しかし、具体的な方法が分からずに悩んでいる場合もあるでしょう。

そういった場合に適切な研修があれば、マネジメント力を高めることができます。

離職の可能性が高い社員の特徴

社員の退職は、突然起こるわけではありません。実は退職を考えている社員には、仕事への取り組み方や普段の様子に特徴的な変化が表れます。

離職の可能性が高い社員には、次のような特徴が見られます。

【離職の可能性が高い社員の特徴】

  • 遅刻や欠勤が急に増えている
  • 普段より早く帰るようになった
  • 表情が暗く元気がなくなった
  • 会議での発言が減っている
  • 新しい仕事を避けるようになった
  • 昼食を1人で取るようになった
  • 有給休暇を突然取るようになった
  • 職場の飲み会を避けるようになった

こうした変化に早めに気付き、適切な対応を取ることで、退職を防げる可能性があります。

以下では、離職の可能性が高い社員に見られる具体的な特徴について詳しく解説していきます。

遅刻や欠勤が急に増えている

これまで時間をしっかりと守っていた社員の遅刻や欠勤が増えることは、離職を考えている可能性が考えられます。

仕事への意欲が低下すると、「少し遅れても構わない」「今日は休んでしまおう」という気持ちが出てきます。特に、それまで時間に正確だった社員がこういった傾向を見せ始めた場合は要注意です。

また、転職活動を始めると、面接のために遅刻や欠勤をする必要が出てくることもあります。こうした行動の変化は、離職の準備を始めている可能性があります。

普段より早く帰るようになった

いつもなら残業していた社員が定時で帰るようになったり、さらに早く帰るようになったりする変化は、離職の兆候かもしれません。

これまで熱心に仕事に取り組んでいた社員が、急に早く帰るようになる理由には、仕事への意欲が下がっている可能性があります。

「この仕事を頑張っても仕方ない」という気持ちになると、必要最低限の仕事だけをこなすようになってきます。

また、転職活動の時間を確保するために、意識的に早く帰る場合もあります。平日夕方の面接に参加するために、急いで帰ろうとする場合があります。

表情が暗く元気がなくなった

いつも明るく活発だった社員の表情が暗くなり、元気がなくなってきたら要注意です。こういった変化は心の中で何か問題を抱えているサインかもしれません。

仕事や職場に対して悩みや不満を抱えると、自然と表情にも出てきてしまうものです。「辞めたい」という思いはすぐには口に出せないため、まず表情や態度の変化として現れます。

職場での居心地が悪くなったり、仕事への意欲が無くなったりすると笑顔が少なくなり、元気のない様子が目立つようになってきます。こういった変化は、離職を考え始める初期の段階で見られる傾向です。

会議での発言が減っている

これまで積極的に意見を出していた社員の発言が減ることは、職場への関心や意欲が低下している可能性を示すサインのひとつです。

会議での発言が減っていることは、「この職場で頑張ってもしょうがない」という気持ちの表れかもしれません。長期的な視点での提案や意見が減り、必要最低限の発言だけになっていく傾向は、離職を考え始めた社員によく見られます。

また、「どうせ辞めるなら余計な発言は控えよう」という気持ちから、意識的に発言を控える場合もあります。

特にプロジェクトの立ち上げや、将来的な提案を求められる場面での消極的な態度は、注意が必要です。

新しい仕事を避けるようになった

これまで積極的に新しい仕事に挑戦していた社員が、次第に消極的になってくる変化は、離職の兆候かもしれません。

「この会社で長く働くつもりがない」と考え始めると、新しい仕事への意欲が自然と低下してきます。責任の重い仕事や、長期的なプロジェクトを任されても、前向きに取り組もうとする姿勢が見られなくなってきます。

また、新しい業務を覚える負担を避けたい気持ちや、中途半端な状態で辞めることへの後ろめたさから、自然と新しい仕事を避けるようになることもあるでしょう。

昼食を1人で取るようになった

いつもは同僚と一緒に昼食を取っていた社員が、突然1人で食べるようになった場合は注意が必要です。

これは職場での人間関係において、悪い方向で変化が起きているサインかもしれません。

昼食時間の過ごし方の変化は、職場への気持ちの変化を表している場合があります。周囲との関係を積極的に作ろうとする意欲が下がったり、職場での会話を避けたくなったりする気持ちの表れとも言えます。

また、昼休みを使って転職活動の電話をしたり、求人情報を見たりする時間に使いたいという理由で、1人の時間を選ぶ場合もあります。

有給休暇を突然取るようになった

計画的に休暇を取っていた社員が、急に有給休暇を取り始めるようになったら要注意です。

特に理由があいまいな場合は、転職活動を始めている可能性があります。

転職活動中は、面接や企業説明会に参加するために急な休みが必要になることが多くあります。また、「どうせ辞めるなら、残っている有給休暇を使い切ろう」という考えを持つ人も多いはずです。

計画的に有給を取っていた社員が、突然「私用で」「用事があって」といった、具体的な理由を言わないケースは注意が必要です。

職場の飲み会を避けるようになった

以前は積極的に職場の飲み会に参加していた社員が急に避けるようになった場合、職場との心理的な距離が広がっているかもしれません。

職場の人と関係を深めたくない、余計な付き合いは避けたい、という気持ちが飲み会を避ける行動につながることがあります。

「もうすぐ辞めるかもしれない」と考えている場合、必要以上に親密になることを避けようとする心理も働くでしょう。

また、飲みの席での会話で本音が漏れてしまうことを心配して、意識的に参加を控える場合もあります。

離職防止のよくある質問

離職防止に取り組む中で、人事担当者からは様々な疑問や悩みの声があがってきます。

特に「退職を告げられたときの対応」や「引き留めの判断基準」について、多くの方が迷いを感じているのではないでしょうか。

離職防止に関してよくある質問には、次のようなものがあります。

【離職防止に関するよくある質問】

  • 退職の意思を示された社員への対応は?
  • 部下が突然辞めたいと言い出したらどうすべき?
  • 引き留めるべき人材かどうかの判断基準はある?
  • どこまで引き留めの交渉をすべき?
  • 給与アップ以外の引き留め策はある?

これらの対応を間違えると、かえって状況を悪化させてしまう可能性もあります。

ここでは、実務に役立つ具体的な対応方法について詳しく解説していきます。

退職の意思を示された社員への対応は?

まずは落ち着いて話を聞くことが大切です。慌てて引き止めたり、感情的な対応をしたりするのは避けましょう。

退職を決意するまでには、さまざまな理由や悩みの積み重ねがあるものです。その背景をしっかりと理解しないまま、すぐに引き留め策を提示しても、根本的な解決にはなりません。

部下が突然辞めたいと言い出したらどうすべき?

急な申し出でも冷静に対応することが重要です。まずは部下の気持ちに寄り添い、なぜそう思うようになったのかを理解することから始めましょう。

突然の申し出に見えても、部下の中では時間をかけて決意が固まっていることがほとんどです。

「なぜ急に?」と驚いたり、怒ったりする対応は、部下との信頼関係を壊してしまう可能性があります。

引き留めるべき人材かどうかの判断基準はある?

社員の引き留めを検討する際は、会社への貢献度や将来性、チームへの影響など、様々な視点から総合的に判断する必要があります。

すべての退職者を引き留めようとするのは現実的ではありません。限られた経営資源の中で、会社の成長に重要な人材を見極め、適切な対応を取ることが大切です。

どこまで引き留めの交渉をすべき?

引き留めの交渉は、1〜2回程度が適切です。過度な引き留めは、かえって本人の負担になり、さらに関係が悪くなる可能性があります。

退職を決めた社員の多くは、すでに十分に考えた上で結論を出しています。何度も引き留めようとすると、本人にとって精神的な負担となり、最後まで良好な関係を保てなくなることもあるため注意しましょう。

給与アップ以外の引き留め策はある?

給与以外にも、働き方の改善や新しい役割の提案など、様々な引き留め策があります。

本人が本当に求めているものを理解し、適切な対応を考えることが大切です。

退職を考える理由は、必ずしも給与だけではありません。むしろ、やりがいの不足や成長機会が無いこと、ワークライフバランスが悪いことなど、金銭面以外の要因が大きいことも多いものです。

離職防止のまとめ

社員の離職を防ぐことは、企業の成長にとって重要な課題です。

この記事で解説してきた内容を整理すると、以下のようになります。

【離職が企業に与える影響】

  • 採用や教育コストの損失
  • 残された社員の負担増加
  • チームの士気低下
  • 業務品質の低下

【社員が退職を考える主な理由】

  • 仕事内容と説明の違い
  • 長時間労働や休暇が取れない
  • 職場の人間関係の問題
  • 評価や給与への不満
  • 成長機会の不足
  • ワークライフバランスの崩れ

【採用時の効果的な離職防止対策】

  • 仕事内容の丁寧な説明
  • 入社後のギャップ防止
  • メンター制度の導入

【働く環境の改善による離職防止対策】

  • 残業時間の削減
  • 休暇を取りやすい環境作り
  • リモートワークの導入

【評価と育成による離職防止対策】

  • 公平な評価制度の整備
  • キャリア支援の充実
  • 研修機会の提供

【コミュニケーションによる離職防止対策】

  • 定期的な1on1面談
  • 社内交流の活性化
  • 管理職の育成

まずは自社の状況を把握し、優先順位をつけて取り組むことが大切です。

社員が「この会社で長く働きたい」と思える環境づくりを、少しずつ進めていきましょう。

また、優秀な社員が離職してしまう前のメンタルヘルス対策は産業医との連携が効果的です。

産業医の役割は非常に幅広いですが、産業保健の現場にある課題を理解している「first call」であれば、法令を守り、従業員の健康に繋がる産業医サービスが利用できます。

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遅沢 修平
遅沢 修平
上智大学外国語学部卒業。クラウド型健康管理サービス「first call」の法人営業・マーケティングを担当し、22年6月より産業保健支援事業部マーケティング部長に就任。
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