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健康診断の再検査とは?企業の義務や実施後の対応をまとめて解説

労働安全衛生法』第66条では、企業が常時使用する従業員に対して、医師による健康診断(一般定期健康診断)を実施することが義務付けられています。

健康診断を受診した従業員に再検査の通知があった場合、「どのような対応を取ればよいか分からない」「再検査の費用はどちらが負担するのだろうか」などと疑問を抱える人事・総務管理担当者の方もいるのではないでしょうか。

本記事では、従業員の健康診断で再検査が必要になった場合の企業側の対応をはじめ、再検査の費用負担について解説します。

また、クラウド型健康管理サービス「first call」では、産業医業務のオンライン対応(職場巡視を除く)が可能な嘱託産業医の選任や、医師への相談窓口など産業医や医師による企業の健康サポートを行っています。ストレスチェックの実施に加え、健康診断結果や面談記録の管理、面談日程調整など企業の健康管理業務をオンライン化できます。

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出典:e-Gov法令検索『労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)』/厚生労働省『労働安全衛生法に基づく 健康診断を実施しましょう ~労働者の健康確保のために~

目次[非表示]

  1. 健康診断の再検査とは
  2. 再検査の実施義務と費用について
  3. 従業員の健康管理に役立つオンラインサービスの活用
  4. まとめ


健康診断の再検査とは

健康診断の再検査とは、診断結果の判定区分の一つです。判定区分は主に以下の5つに分けられます。


▼健康診断の判定区分(一例)



判定区分


内容

A:異常なし
測定数値が正常の範囲内
B:要経過観察
治療は必要ないが、日常生活の改善が必要
C:要再検査
測定数値が悪いため、異常があるか再度検査が必要
D:要精密検査

測定数値が異常値のため、原因や治療の必要性を確認する必要がある

E:要治療
すぐに治療が必要


上記のうち再検査は、測定数値が一時的なものか、あるいは身体の問題に起因するのか調べることが目的です。再検査で病気が見つかれば、さらに詳しい精密検査や治療に進みますが、正常数値が出れば異常なしと判断されるケースもあります。

また、上記判定は一例であり、判定基準は医療機関によって異なります。アルファベットによる判定がなく、文章で“異常なし”“要経過観察”などと書いている医療機関は確認しやすいかと思います。しかし、たとえばBで“ほぼ正常”、Cで“要経過観察”などの基準になることもあるので、判定結果がアルファベットで記載されている場合は判定結果の基準を確認することが重要です。

結果次第では、精密検査や治療に進む必要もあるため、再検査の通知を受けた従業員がいる場合、再検査を受けるよう促すことが大切です。

また、再検査を受けるか否かは従業員の判断に委ねられます。そのため、再検査を受けない従業員に対して企業側が受診を強制することはできませんが、企業は従業員に対する安全配慮義務があります。

労働契約法』第5条には、企業は従業員が生命や身体の安全を確保しつつ働けるよう配慮する必要があると記されています。企業が従業員へ再検査の勧奨を行うことが望まれます。

出典:e-Gov法令検索『労働契約法(平成十九年法律第百二十八号)



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再検査の実施義務と費用について

労働安全衛生法』では、健康診断実施後に企業側が行う対応として、以下の内容を定めています。


▼健康診断実施後の企業側の取組み事項

取組み
内容
法令
①健康診断結果の記録
健康診断の結果は、健康診断個人票を作成して、それぞれの健康診断によって定められた期間保存する。
第66条の3
②医師等からの意見聴取
健康診断の結果、異常所見がある従業員について、健康保持のために必要な措置について医師等から意見聴取をする。
第66条の4
③健康診断実施後の措置
医師等の意見を勘案して聴取が必要とされる場合には、労働時間の短縮や作業の転換など必要な措置を講じる。
第66条の5
④健康診断の結果の労働者への通知
健康診断結果は労働者に通知しなければならない。
第66条の6
⑤健康診断の結果に基づく保健指導
健康診断の結果、特に健康の保持に努める必要がある従業員に対して、医師や保健師による保険指導を行うよう努める。
第66条の7
⑥所轄労働基準監督署長への報告
健康診断の結果は、遅滞なく所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。(安衛則44・45・48条の健診結果報告書については、常時50人以上の労働者を使用する事業者、また、特殊健診の結果報告書は健診を行ったすべての事業者)
第100条


再検査の必要性やその後の措置については、産業医・保健師による判断を仰ぐことが望ましいです。

また、実施費用の負担について、法律上の定めはありませんが、一般健康診断の項目に対する再検査に関しては事業者側が負担するのが妥当といえます。

再検査の通知を見過ごして通常業務に従事させた場合、体調が悪化して病気に発展するリスクも考えられます。企業としての安全配慮義務を遵守して、従業員の健康を保持するためにも、産業医への意見聴取のもと、受診を勧奨することが大切です。

出典:e-Gov法令検索『労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)』/厚生労働省『労働安全衛生法に基づく 健康診断を実施しましょう ~労働者の健康確保のために~



従業員の健康管理に役立つオンラインサービスの活用

従業員の健康管理は、企業にとって避けられない取組みの一つです。健康管理の一環として、再検査通知を受け取った従業員に積極的に受診してもらいたいという企業もあるのではないでしょうか。

健診結果の管理、産業医への意見聴取などを適切かつスムーズに行うためには、健康管理サービスの活用が有効です。

特に、健診結果を紙面で管理している企業では、従業員数が多くなるほど管理が煩雑化しやすいという問題があります。そのような環境では、経過観察や再検査といった判定結果を見逃したり、対応が遅れたりする可能性があります。

さらに、『労働安全衛生法』第66条4項では、健診結果に異常所見のある労働者に対して、医師からの意見聴取や保険指導が必要と定められています。このような意見聴取や保健指導をスムーズに行うためには、健診結果を産業医と連携できる体制を整えておくことが重要です。

クラウド型健康管理サービス『first call』を導入すれば、従業員の健診結果をオンライン上で一元管理することが可能です。たとえば、一例として産業医サービス・健診管理サービス・就業判定サービスを導入した場合の利用の流れは次のとおりです。


▼first callの利用の流れ(一例)

  1. 健診結果をCSVファイル形式で取り込み、データ化する
  2. 健診結果をデータ化して登録・管理して、従業員にオンライン共有する
  3. 産業医と健診結果をオンラインで共有して、就業判定を受ける

オンラインで健診管理ができるようになれば、健診結果の仕分けや産業医への検診結果の郵送といった作業が不要になり、効率的に健診結果を共有できます。

また、産業医と連携することで、再検査の要否判定や就業判定をオンライン経由で適切に行えるようになります。

「すでに産業医の選任を終えている」という場合でも、first callなら、いまの産業医との契約を切ることなく別サービスを導入することも可能ですので、健診結果の適切な管理、産業医との連携でお困りのことがあればぜひご相談ください。

出典:e-Gov法令検索『労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)


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まとめ

この記事では、健康診断の再検査について、以下の項目で解説しました。

  • 健康診断の再検査について
  • 再検査の実施義務と費用
  • 従業員の健康管理に役立つオンラインサービスについて

健康診断の再検査の実施義務は、企業にはありません。しかし、再検査の通知を受け取った従業員の病気の早期発見・早期治療のためには、適切なフォローによって受診を促すことが重要です。

また、健診結果を紙面で管理している場合、事務処理や産業医との連携が煩雑になりやすく、適切なフォローを行えていないケースもあります。

first call』では、従業員一人ひとりの健診結果をシステム上で一元管理できます。さらに、産業医とのオンライン連携により、健診結果の共有や就業判定もスムーズに行えるようになります。自社の健康管理をより効率的に行い、強化を図りたい場合は、first callの導入も検討してみてはいかがでしょうか。

遅沢 修平
遅沢 修平
上智大学外国語学部卒業。クラウド型健康管理サービス「first call」の法人営業・マーケティングを担当し、22年6月より産業保健支援事業部マーケティング部長に就任。
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