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従業員が適応障がいになったら? 会社の対応と求められる対策

従業員から適応障がいであることを申告された場合、本人の健康状態の回復、そして労働災害や従業員とのトラブルを防ぐためにも、企業として適切な対応を取る必要があります。

しかし、「どのような兆候が見られるのか」「具体的にどのような措置を講じればよいのか」など、従業員の状態の判断や対応に悩む人事・総務担当者の方もいるのではないでしょうか。

この記事では、適応障がいとは何か、また企業としての対応や適応障がいを防ぐための対策について解説します。


目次[非表示]

  1. 1.適応障がいとは
  2. 2.従業員が適応障がいになった場合の会社の対応
    1. 2.1.①産業医面談の実施
    2. 2.2.②医療機関への受診勧奨
    3. 2.3.③休職の実施
  3. 3.従業員の適応障がいを防ぐための対策
  4. 4.まとめ


適応障がいとは

適応障がいとは、精神障がいの一つで、日常生活のなかで起きた何らかの出来事によるストレスで心身のバランスが崩れ、社会生活に支障が生じる状態のことです。

適応障がいの発症は、ストレスの要因となる出来事が明確となっており、その出来事を引き金とした心理的反応と考えられています。

適応障がいを治療するには、ストレスを軽減するためにストレス状況下から離れる、ストレス因子を取り除くといった心理的な回復が必要とされています。場合によっては薬物療法が行われます。

また、個人によって異なりますが、以下のような症状が現れることがあります。


▼適応障がいの一般的な症状

  • 憂鬱な気分
  • 不安感
  • 頭痛
  • 不眠


従業員に上記のような症状が見られる、または医師によって適応障がいと診断された場合には、治療のサポートや環境改善などの適切な対応が必要です。

出典:厚生労働省 e-ヘルスネット『適応障害』/内閣府『第3章 支援対象者の理解



従業員が適応障がいになった場合の会社の対応

従業員に適応障がいの症状が見られる場合、医学的な見地から健康状態を評価したうえで、適切な就業上の措置を講じる必要があります。

ここでは、適応障がいが疑われる、または診断された従業員への企業の対応について解説します。


①産業医面談の実施

従業員の言動や就労状態を見て適応障がいが疑われる場合、または適応障がいと診断された場合には、産業医との面談を促します。

適応障がいの要因となる出来事は、一つではなく複合的な場合もあるため、目に見える症状や従業員本人の申出のみで判断することは困難です。

医学的な見地から従業員の心身の状態を評価するためには、専門知識を有する産業医との面談が必要といえます。

産業医に適切な意見を求めることで、就業の可否や配慮の必要性などを検討できるようになります。また、産業医との面談を設けることは、仕事と治療を両立しやすい職場環境をつくるためにも有効です。

出典:内閣府『第3章 支援対象者の理解』/厚生労働省『中小企業事業者の為に産業医ができること


②医療機関への受診勧奨

適応障がいが疑われる従業員や、心身の不調を訴える従業員がいる場合は、医療機関への受診勧奨を行います。

適応障がいが疑われる従業員のなかには、仕事や職場での対人関係を継続できない状態の人もいます。症状や健康状態に応じて休職の措置を検討するためにも、医師による診断書の提出が必要です。

ただし、適応障がいをはじめとする精神障がいは、診断名が曖昧に表現されるケースも多く、不眠症などが便宜的に使用されることも少なくありません。

そのため、休職の要否については診断書の内容を考慮しつつ、産業医や人事総務担当者などの意見を基に総合的に判断することが重要です。

出典:厚生労働省 e-ヘルスネット『適応障害』/厚生労働省『心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き』/厚生労働省 こころの耳『Q1:適切な復職判定の原理原則や主治医との連携とは?


③休職の実施

産業医面談や医療機関の受診の結果、仕事を休んでもらう必要がある場合には、休職手続きを進めます。

休職制度は企業によって異なるため、事前に就業規則に明記しておく必要があります。また、休職の申し入れや企業側からの休職命令に関しては、事前に休職期間や復職の基準、退職についての規定を説明しておくことが重要です。

休職期間中は、従業員が療養に専念できるように、以下のような情報提供・支援を検討します。


▼休職期間中の支援

  • 傷病手当の付与
  • 相談窓口の設置
  • 外部の職場復帰支援サービスの紹介


休職面談の流れや復職判断のポイントについては、こちらの記事で紹介しています。併せてご確認ください。

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出典:厚生労働省『心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き』『モデル就業規則』



従業員の適応障がいを防ぐための対策

従業員の適応障がいを防ぐためには、ストレスの要因を早期発見して、改善策を講じることが必要です。

適応障がいは、何らかの明確な出来事が契機となって引き起こされます。要因となっているストレス因子は単一の場合も複合的な場合もありますが、日ごろから従業員のストレスの状況と要因を把握できる体制をつくることで、職場環境の改善や適切な就業上の配慮が可能です。

ストレス状況や要因を把握する方法としては、以下が挙げられます。


▼ストレス状況・要因を把握する方法

  • ストレスチェック、高ストレス者に対する産業医面談の実施
  • 産業医による健康相談、職場巡視の実施
  • 従業員の家族への社内メンタルヘルス相談窓口の情報提供


また、職場におけるストレス状況と要因を把握した後は、各状況に応じた対策が必要です。


▼ストレスの要因と対策例

ストレスの要因
対策
上司によるハラスメント被害
配置転換、人間関係や職場の文化・風土等の改善
業務における過度な心理的負荷・責任
従業員の能力や適性に応じた職務内容への配慮

出典:厚生労働省 e-ヘルスネット『適応障害』/厚生労働省『ストレスチェック制度導入ガイド』『職場における心の健康づくり



まとめ

この記事では、適応障がいの従業員に対する企業の対応について、以下の内容を解説しました。


  • 適応障がいとは何か
  • 従業員が適応障がいになった場合の会社の対応
  • 従業員の適応障がいを防ぐための対策


適応障がいが疑われる従業員がいる場合は、本人の申出や目に見える症状だけで判断せず、産業医面談または医療機関の受診を促すことが大切です。

また、適応障がいを防ぐためには、日ごろから従業員の就労環境やストレス状況に気を配り、不調の兆候を早期発見することが欠かせません。

会社としても従業員へのストレスチェックや産業医面談などを実施して、早期発見・治療ができる体制を構築することが求められます。

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