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産業医の業務内容とは? 相談できる内容を押さえて産業医を有効活用

常時50人以上の従業員を雇用する事業場には、産業医の選任義務が課せられます。産業医は、事業場における従業員の健康管理全般に関する責任を負っており、業務内容は法律によって細かく定められています。

しかし「産業医を有効に活用できていない」「産業医の設置を考えているため、産業医に相談できる内容を知りたい」とお考えの担当者の方もいるのではないでしょうか。

この記事では、産業医の業務内容や産業医へ相談できる内容を解説します。


目次[非表示]

  1. 産業医の業務内容
  2. 産業医に相談できること
    1. 健康診断後のフォロー
    2. ストレスチェック後のフォロー
    3. 治療と仕事を両立するためのアドバイス
    4. 職場環境・健康管理体制へのアドバイス
  3. まとめ


産業医の業務内容

産業医の業務内容は、事業場における従業員の健康管理です。『労働安全衛生規則』第14条第1項・第15条においては、産業医の業務内容が定められています。


▼産業医の業務内容

  1. 健康診断の実施とその結果に基づく措置
  2. 長時間労働を行う従業員に対する面接指導とその結果に基づく措置
  3. ストレスチェックおよびストレスチェックにおける高ストレス者への面接指導とその結果に基づく措置
  4. 職場巡視
  5. 作業環境の維持管理
  6. 作業管理
  7. 上記以外の従業員の健康管理
  8. 健康教育、健康相談、従業員の健康を促進するための措置
  9. 衛生教育
  10. 従業員の健康問題の原因調査、再発を防止するための措置


産業医には、上述した業務に加え、衛生委員会への参加も求められます。長時間労働を行う従業員に関する情報を把握し、その実態と現状を知ることも必要です。

産業医が、従業員の労働における実態と現状を知ることで、従業員に対してより適切な健康管理を行えるようになります。


▼産業医の活動状況

画像引用元:厚生労働省『産業保健の現状と課題に関する参考資料


厚生労働省の『産業保健の現状と課題に関する参考資料』によると、産業医の業務のうち、職場巡視や従業員の健康診断結果確認、衛生委員会への出席などの業務で、活動割合が高いことが分かります。

一方で、従業員の作業環境や作業内容の確認が占める割合は、比較的低い結果になっています。

出典:厚生労働省『産業医ができること』『産業保健の現状と課題に関する参考資料』/e-Gov法令検索『労働安全衛生規則



産業医に相談できること

ここでは、従業員と事業者が、産業医に相談できる内容の例を紹介します。


健康診断後のフォロー

従業員は健康診断の結果を基に、産業医に対して、現状の働き方で問題ないかを相談できます。

この際、従業員は必要に応じて産業医から医療機関の受診推奨や保健指導などのフォローも受けられます。

また事業者は、従業員の健康状態に問題がある場合、産業医の意見を基に従業員の働き方の変更を行う必要があります。

出典:厚生労働省『産業医ができること


ストレスチェック後のフォロー

従業員および事業者は、産業医に対して、メンタルヘルス対策の促進を目的とするストレスチェック実施後のフォローについても相談できます。

従業員がストレスチェックで高ストレスと判断された場合は、本人に対して産業医の面接指導が行われます。

事業者もリスク管理を踏まえ、産業医へ長時間労働を行う従業員への対策を相談することも可能です。

出典:厚生労働省『産業医ができること


治療と仕事を両立するためのアドバイス

治療と仕事の両立支援も、従業員と事業者が産業医に相談できる内容の一つです。

従業員は、治療と仕事の両立を希望する場合、申し出のうえ産業医との面談を受けられます。

事業者は、この面談を基に、従業員の就業の可否や配慮の必要性などについて、専門的な知見を持った産業医に相談できます。これにより事業者は、従業員の健康状況に配慮した労働環境を整えられます。

出典:厚生労働省『産業医ができること


職場環境・健康管理体制へのアドバイス

事業者は産業医から、職場環境・健康管理体制に関するアドバイスも受けられます。

産業医は衛生委員会のメンバーでもあります。事業者は産業医から、職場環境の課題や事業場の健康管理体制に関して、医学の専門的な立場からの適切な助言を得ることが期待できます。

事業者は、職場環境に関する産業医のアドバイスを、事業場全体の労働環境や健康管理体制の改善に活用できます。

産業医面談については、こちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。

  産業医との面談を実施する目的と内容について解説 産業医は、従業員の健康保持・促進や職場環境の改善などについて、医学的な立場から助言を行い、健康に就労できるよう支援する役割を担っています。この記事では、産業医面談の実施目的と内容について解説します。 first call

出典:厚生労働省『産業医ができること



まとめ

この記事では、産業医について、以下の項目で解説しました。


  • 産業医の業務内容
  • 産業医に相談できること


産業医の業務は、従業員への健康診断の実施や、ストレスチェックの結果に基づく従業員との面談など、多岐にわたります。

事業者は、産業医から職場環境や労働管理体制などに関して、医学の専門的な立場からアドバイスをもらえるため、事業場の労働環境の改善に役立てられます。また、従業員は健康診断やストレスチェックの結果を基に、産業医に対して自身の健康に関する相談を依頼できます。

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遅沢 修平
遅沢 修平
上智大学外国語学部卒業。新卒で大手証券会社入社。 その後、スタートアップ企業への転職を経て、2020年4月にメドピアに入社(Mediplat出向)。 クラウド型健康管理サービス「first call」の法人営業・マーケティングを担当し、22年6月より産業保健支援事業部マーケティング部長に就任。
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