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産業医と医師の3つの違い│要件や業務内容も徹底解説

産業医とは、事業場における従業員の健康管理を行う医師のことです。実際には、普段は病院で勤務しながら、企業で産業医として活動する医師がほとんどですが、産業医としての活動と医療機関での医師の活動とは異なる点があります。

以下では、医師国家試験に合格している人のうち、病院で活動する人を「医師」、後述の産業医要件を満たし企業などで活動する人を「産業医」として、その違いを説明していきます。

産業医の設置を検討するにあたって「産業医と医師の違いが分からない」「産業医の要件を知りたい」とお悩みのご担当者さまもいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、産業医の認定要件と、産業医と医師の違いについて解説します。

また、クラウド型健康管理サービス「first call」では、産業医業務のオンライン対応(職場巡視を除く)が可能な嘱託産業医の選任や、医師への相談窓口など産業医や医師による企業の健康サポートを行っています。ストレスチェックの実施に加え、健康診断結果や面談記録の管理、面談日程調整など企業の健康管理業務をオンライン化できます。

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目次[非表示]

  1. 産業医の要件
  2. 産業医と医師の違い
    1. ➀対象者
    2. ②医療行為の可否
    3. ③求められる立場
  3. 産業医の業務内容
  4. 産業医に期待できること
  5. まとめ


産業医の要件

産業医として従事するためには、『労働安全衛生規則』第14条第2項で定められている要件を満たしている必要があります。


▼産業医の要件

  • 厚生労働大臣の指定する法人(日本医師会・産業医科大学)が実施する研修を受けて、これを修了した者
  • 産業医の養成課程を設置している産業医科大学そのほかの大学において、必要な課程を修めて卒業し、その大学が行う実習を履修した者
  • 労働衛生コンサルタント試験に合格して、かつその試験区分が保健衛生である者
  • 大学において労働衛生に関する科目を担当する教授、准教授、常勤講師または、過去にこれらを経験したことがある者


産業医の設置人数については、こちらの記事でも解説しています。併せてご確認ください。

  業種・従業員数で人数が変わる? 必要な産業医の人数と産業医の要件 従業員数・業務内容によって、必要な産業医の数や、嘱託または専属のどちらの産業医を設置するかといった条件が異なるため、要件について正しく理解しておくことが重要です。 「結局、自社は何人の産業医をどの契約で設置すればよいのだろう」とお悩みの人事・総務担当者の方もいるのではないでしょうか。 この記事では、必要な産業医の人数を、産業医の要件とともに解説します。産業医の管理にお悩みの方は、ぜひご一読ください。 first call

出典:厚生労働省『産業医について』/e-Gov法令検索『労働安全衛生規則



産業医と医師の違い

産業医と医師には、業務内容においていくつかの違いがあります。


➀対象者

産業医と医師とでは、面談や診察の対象が違います。

産業医の場合は事業場の従業員が対象ですが、一方で医師の場合、診療の対象は病人やけが人になります。


②医療行為の可否

産業医と医師とでは医療行為の可否にも違いがあります。

産業医は、従業員の健康管理を主な業務とするため、産業医として勤務している場合は従業員に対する医療行為は行えません。一方で医師は、診療・治療・処方箋の作成などの医療行為を行うことが可能です。

ただし、産業医が一般の病院で“医師”として勤務している場合、担当している事業場の従業員が来院した際は、必要に応じて医療行為を行えます。


③求められる立場

産業医と医師では、立場も異なります。

産業医には、事業者と従業員の間に立つため中立な立場が求められます。一方で、医師には、患者側に立って医療行為を行います。

なお、中立な立場とは、事業者と従業員のどちらかの意見に偏らないように、双方の意見や状況について、医学的知見を用いて客観的に判断する立場のことです。



産業医の業務内容

産業医の業務内容には、事業場における従業員の健康管理全般に関わることが該当します。


▼産業医の業務内容

  1. 健康診断の実施とその結果に基づく措置
  2. 長時間労働を行う従業員に対する面接指導とその結果に基づく措置
  3. ストレスチェックおよびストレスチェックにおける高ストレス者への面接指導とその結果に基づく措置
  4. 職場巡視
  5. 作業環境の維持管理
  6. 作業管理
  7. 上記以外の従業員の健康管理
  8. 健康教育、健康相談、従業員の健康を促進するための措置
  9. 衛生教育
  10. 従業員の健康問題の原因調査、再発を防止するための措置


産業医には、上述した業務に加えて、衛生委員会への参加も求められています。

また、長時間労働を行う従業員に関する情報を把握して、従業員の実態と現状を知ることも必要です。

労働者の実態と現状を知ることで、産業医は労働者に対する適切な健康管理が行えます。

出典:厚生労働省『産業医ができること』『産業保健の現状と課題に関する参考資料』/e-Gov法令検索『労働安全衛生規則



産業医に期待できること

事業者は産業医に対して、従業員の健康維持および促進、職場環境の改善などを期待できます。


▼産業医に期待できること

  • 従業員の健康管理
  • 職場環境へのアドバイス
  • 治療と仕事の両立支援


産業医には、健康診断やストレスチェックの結果を基に、従業員への健康面でのアドバイスを行うことが求められており、これは従業員の健康管理の観点からも有効です。

また、産業医は衛生委員会のメンバーであるため、事業者は専門的な見地による職場環境へのアドバイスが期待できます。

さらに、従業員が職場での就業を継続しながら治療をすることを希望する場合、事業者は、産業医からの医学的知見による可否の判断や、適切な助言をもらえます。

出典:厚生労働省『産業医ができること



まとめ

この記事では、産業医について以下の内容を解説しました。


  • 産業医の要件
  • 産業医と医師の違い
  • 産業医の業務内容
  • 産業医に期待できること


産業医と医師とでは、その業務内容に違いがあります。具体的には、両者は“医療行為の可否”や、“対象”、また“求められる立場”といった点で異なるため、詳細を押さえておくことが大切です。

また産業医の主な業務は、事業場における従業員の健康管理全般です。一例として、従業員に対する健康診断・ストレスチェックの実施や、職場の巡回があります。

クラウド型健康管理サービス『first call』なら、貴社に合った産業医をご紹介可能です。産業医によるオンライン面談も可能なため、全国の事業場を効率的にフォローできます。

産業医サービスについて、詳しくはこちらをご確認ください。

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遅沢 修平
遅沢 修平
上智大学外国語学部卒業。クラウド型健康管理サービス「first call」の法人営業・マーケティングを担当し、22年6月より産業保健支援事業部マーケティング部長に就任。
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