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従業員がうつ病? 診断書の取得方法や産業医への相談・報告について

近年、仕事による強いストレスが原因で精神障がいを発病したとする労災請求件数が増加の一途を辿っています。なかでも精神障がいの一つとされるうつ病は、日本人の100人に約6人が生涯のうちに経験しているといわれています。

企業の人事・総務担当者は、従業員のうつ症状を早期発見するとともに、医師の診断書や産業医の意見を基に、休職を検討することが求められます。

この記事では、従業員がうつ病になった場合の診断書の取得方法や産業医への相談・報告について解説します。

出典:厚生労働省『令和2年度 我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況』『うつ病


目次[非表示]

  1. 1.うつ病の診断書の取得方法
  2. 2.うつ病による休職は産業医への相談・報告が必要
  3. 3.診断書の見方についての注意点
  4. 4.まとめ


うつ病の診断書の取得方法

うつ病による休職手続きを行う際は、医師による診断書の提出を求める必要があります。

診断書の取得方法は、以下のとおりです。


▼診断書の取得方法

  • かかりつけの心療内科や精神科を受診する
  • 勤務先の産業医に相談する

従業員にかかりつけの医師がいない場合は、まずは産業医に相談して、受診や休職の必要性に関してアドバイスを仰ぎます。

また、診断書の取得方法や費用については、医療機関によって異なります。診断書の提示を求める際は、費用負担について説明しておくことが重要です。


▼従業員に診断書の提出を求める際に伝えておく内容

  • 診断書の取得方法や発行までの期間
  • 診断書の費用(保険適用外)
  • 保険証の持参
  • 休職手続きの流れ
  • 休職に関する規定

医師により業務遂行が困難な健康状態と診断された場合は、人事・総務担当者が休職手続きを進めることとなります。

その際、従業員に診断書の提出を求める場合は、就業規則にその旨を規定しておくとスムーズに手続きを進めることができます。


うつ病をはじめとする精神障害を防ぐためのメンタルヘルス対策については、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご覧ください。

  厚生労働省が示す“4つのケア”とは? ケアが必要な背景と実施のための取組み! 従業員のメンタルヘルス対策に向けた取組みの必要性が高まるなか、厚生労働省は、従業員の心の健康保持・増進のための指針となる“4つのケア”を示しています。本記事では、厚生労働省が定める“4つのケア”について、メンタルヘルス対策が求められる背景や“4つのケア”を実施するための取組みを解説します。 first call

出典:厚生労働省『職場復帰支援の手引き』『就業規則作成・見直しのポイント』/厚生労働省労働基準局監督課『モデル就業規則



うつ病による休職は産業医への相談・報告が必要

うつ病による休職を申し出た従業員のなかには、心療内科や精神科を受診することに抵抗がある人もいます。そういった従業員から休職の申し出を受けた場合には、自社が選任した産業医への相談を促します。

従業員から休職の申し出がない場合でも、表情が暗い・反応が遅い・落ち着きがない・常にイライラしているなどの症状が見られる場合は、うつ病などの可能性があります。そのため、いつもと違う行動が見られる従業員に対しては、産業医による健康相談や定期的な面談を行うよう働きかけることが望ましいといえます。

医学的な視点から従業員の状態を判断することで、医療機関への受診の促進や休職の提案など、適切な措置を講じることが可能です。また、うつ病を早期発見するためには、日ごろから従業員のストレス状況や健康状態を把握して、相談しやすい体制をつくることも欠かせません。

たとえば、以下のような取組みが挙げられます。


▼うつ病を早期発見するための取組み

  • ストレスチェックを実施後、高ストレス者に対して産業医による面接指導を行う
  • 産業医による相談窓口を設置する(チャット、オンライン通話等)

出典:厚生労働省『うつ病』『労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル



診断書の見方についての注意点

精神科医師の診断書が提出された場合でも、診断名のみで病気や健康状態を判断することは適切とはいえません。

うつ病などの精神疾患は症状が目に見えにくく、複数の要因が絡み合っているケースも考えられます。さらに、うつ病の発症原因については心身のストレスが指摘されていますが、正確にはよく分かっていません。

そのため、診断書には自律神経失調症、不眠症、ノイローゼなどの本来の診断の一部の症状を切り取った精神医学的診断名で表現されることもあります。

就労可否を判断する際は、診断書上の診断名のほか、職場の勤務状況・業務内容などの実態と照らし合わせて行うことが望ましいです。また、休職・復職判断を行う際は、医師の診断書に加えて、産業医による面談や就労状況の調査などを行って、総合的に判断することが重要です。

従業員の健康状態を判断するポイントとして、以下が挙げられます。


▼健康状態を判断するポイント

  • 業務遂行への影響(健常時と現在で変化があるか、注意力・集中力の程度など)
  • 家事や趣味活動の実施状況
  • 昼間の眠気の有無(投薬によるケースも含む)
  • 安全な通勤の可否
  • 食事・睡眠・飲酒等の生活習慣の状態

出典:厚生労働省『うつ病』『職場復帰支援の手引き』『Q1:適切な復職判定の原理原則や主治医との連携とは?



まとめ

この記事では、従業員のうつ病に関する企業の対応について、以下の項目で解説しました。

  • うつ病の診断書の取得方法
  • うつ病に関する産業医への相談・報告について
  • 診断書の見方についての注意点

うつ病の診断書の取得には、かかりつけの心療内科や精神科を受診するほか、勤務先の産業医に相談する方法があります。医師により、うつ病と診断された従業員、または、うつ症状がある従業員に対しては、医学的な視点から従業員の状態を判断するために、産業医に相談・報告を行います。

ただし、精神科医による診断書には、診断名や疾患名が曖昧に記載されるケースもあります。そのため、産業医の意見や実際の就労状況などを考慮して就労可否の判断を行うことが重要です。

なお、うつ病をはじめとするメンタルヘルス不調の予防・早期発見のためには、日ごろから相談しやすい環境をつくることが大切です。

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また、first callのチャット型相談は12科目の医師に相談できるため、心療内科や精神科への相談に抵抗がある場合は、まずは内科等別の診療科で身体上の不調の相談を促すこともできます。


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