catch-img

【健康診断の事後措置】就業判定までの流れと判定区分を解説

労働安全衛生法』第66条の4において、企業で健康診断を実施後、有所見者(※)に対して、産業医の意見を聴取して就業判定を行う義務があります。

企業においては就業判定の内容を踏まえて、従業員の療養や治療を促したり、勤務上の負荷を軽減したりするなど、適切な措置を講じることが重要です。

しかし、健康診断後の有所見者に対して「どのように就業判定を行えばよいのだろう」と疑問を持つ人事・総務担当者の方もいるのではないでしょうか。

そこで本記事では、健康診断後に就業判定を実施する際の流れや判定区分について解説します。

なお、有所見者については、こちらの記事で詳しく紹介しています。ぜひご覧ください。

  健康診断の有所見者とは? 診断区分と企業の対応 従業員の健康診断を実施したあとは、その健診結果に基づいて、再検査や業務上の配慮などの適切な措置を講じる必要があります。この記事では、健康診断における有所見者の定義や診断区分をはじめ、有所見者への企業の対応方法について解説します。 first call

※有所見者とは、健康診断の結果でいずれかの項目で何らかの異常の所見がある人のこと。

出典:e-Gov法令検索『労働安全衛生法


目次[非表示]

  1. 1.就業判定までの5つの流れ
    1. 1.1.①健康診断の実施
    2. 1.2.②健康診断結果の受領
    3. 1.3.③健康診断結果の通知
    4. 1.4.④医師等の意見聴取
    5. 1.5.⑤就業上の措置の決定等
  2. 2.就業判定の区分と措置内容
  3. 3.まとめ


就業判定までの5つの流れ

健康診断の実施後は、結果を基に産業医の意見を聴取して、産業医による就業判定を行う必要があります。ここでは、就業判定を実施するまでの流れについて解説します。


①健康診断の実施

労働安全衛生規則』第44条では、事業者は常時雇用するすべての従業員に対して、1年以内ごとに1回、医師による定期健康診断を実施する義務があると定められています。

アルバイト・パートなど、雇用形態にかかわらず、一定の要件を満たす場合には実施が必要です。定期健康診断の実施対象となる従業員の条件については、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひご一読ください。


  職場での健康診断は義務! 実施の目的と5つの健康診断を解説 従業員の健康状態を把握して健康保持に努めるために、企業には健康診断の実施が義務付けられています。本記事では、健康診断の義務や種類、実施の目的について解説します。 first call

出典:e-Gov法令検索『労働安全衛生規則』/厚生労働省 愛知労働局『定期健康診断


②健康診断結果の受領

健康診断の実施後、医療機関・健診機関から受領する健康診断結果を基に異常所見の有無を確認して、有所見者となる従業員を把握します。

また、『労働安全衛生規則』第52条では、常時50人以上の従業員を使用している企業では、定期健康診断結果報告書を作成して、労働基準監督署へ提出する義務があると示されています。

さらに、受領した健康診断結果は企業にて5年間保管する必要があります。健康診断結果は『個人情報の保護に関する法律』の第2条第3項の“要配慮個人情報”にあたるため、漏えいや改ざんがないように、適切に保管・取り扱うことが欠かせません。


保管方法や取扱いについては、こちらの記事をご確認ください。

  健康診断結果が届いたら? 取り扱いや保管方法を解説 健康診断の結果が届いたとき、「どのように取り扱えばよいか分からない」「保管しておく必要があるのか分からない」と悩む担当者の方もいるのではないでしょうか。この記事では、事業場における健康診断結果の取り扱いや保管期間、保管するうえでの3つのポイントについて解説します。 first call

出典:厚生労働省 愛知労働局『定期健康診断』/e-Gov法令検索『労働安全衛生規則』/厚生労働省『健康診査の結果等情報の取扱い(現状)』『事業場における労働者の健康情報等の取扱規程を策定するための手引き


③健康診断結果の通知

従業員が自らの健康状態を把握して自主的に健康管理を行えるように、異常所見の有無にかかわらず、事業者は健康診断結果を遅延なく従業員に通知する義務があります。

また、有所見者に対しては、産業医や保健師による保健指導を行うよう努める必要があります。

さらに、厚生労働省は、有所見者に対しては、二次健康診断の受診を勧奨することを適当としています。

出典:e-Gov法令検索『労働安全衛生法』/厚生労働省『健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針


④医師等の意見聴取

健康診断結果で異常の所見があると判断された従業員に対しては、就業上の措置について医師等の意見を聴取する義務があります。

また、医師等への意見聴取は、健康診断実施日から3ヶ月以内に行う必要があると定められています。産業医の選任義務がない50人未満の事業場においては、健康診断を実施する医療機関に就業判定まで実施を依頼できないか打診したり、他の50名以上で産業医がいる事業場(本社など)の産業医に依頼できないか検討したり、地域産業保健センターを活用したりするなどの方法が考えられます。

なお、医師等の意見聴取を行う際は、従業員の労働時間や作業環境などの情報、職場巡視の機会などを提供する必要があります。

出典:e-Gov法令検索『労働安全衛生法』『労働安全衛生規則』/厚生労働省『現行の産業医制度の概要等』『健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針


⑤就業上の措置の決定等

健康診断の実施後、聴取した医師等の意見を踏まえて、就業上の措置を講じる必要があります。

この際、就業上の措置を検討する判断材料の一つに医師等による就業判定があります。事業者は、就業判定の内容と従業員の意見を踏まえて、労働時間の短縮や業務の転換など必要な措置を決定します。

出典:e-Gov法令検索『労働安全衛生法』/厚生労働省『健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針



就業判定の区分と措置内容

健康診断の結果、有所見者には、就業上の措置の必要性やその内容について、医師等による意見聴取を行います。

意見聴取の際は、医師等が次の3つの区分で就業判定を行ったのち、判定結果に基づいて就業上の措置を決定します。


▼就業判定の区分と措置内容

就業判定の区分と措置内容

画像引用元:厚生労働省『健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針


企業が就業判定に基づいて就業上の措置を講じる際は、従業員と十分な話し合いを行い、措置について了解を得てから実行します。

就業上の措置の実行にあたっては、従業員が働く現場の管理監督者の理解を得られるよう、人事・労務担当者から現場管理監督者に対して説明を行うことも重要です。また、実施した就業上の措置について変更・解除をする際は、人事・総務部門や産業医と連携したうえで決定する必要があります。

なお、就業上の措置を講じたのちに健康状態が改善した場合には、医師等の意見を踏まえて通常勤務に戻すといった適切な措置を講じます。

出典:厚生労働省『健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針』/厚生労働省 東京労働局『健康診断の実施と事後措置の概要



まとめ

この記事では、健康診断実施後の就業判定について以下の内容を解説しました。

  • 就業判定までの5つの流れ
  • 就業判定の区分と措置内容

健康診断の実施後は、産業医による意見聴取と就業判定に基づいて、適切な就業上の措置を講じる必要があります。

また、産業医による就業判定を求める際は、健康診断結果に基づいて健康状態を総合的に評価できるように、人事・総務部門と産業医が連携できる体制が欠かせません。

クラウド型健康管理サービス『first call』の健診管理サービスなら、従業員の健康診断結果をデータ化して、クラウドシステムで一元管理することが可能です。

産業医との情報共有のほか、就業判定機能、労働基準監督署への報告データ集計などの機能も備わっているため、健康診断実施後の業務をスムーズに行えます。


サービス詳細については、こちらからご確認いただけます。

  クラウド型健康管理サービス『first call』 | first call クラウド型健康管理サービス『first call』は、人とシステムの両方で企業の健康管理をサポートします。 first call