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ストレスチェックの集団分析とは?実施義務や何人以上で行うのか、集計と分析についても解説

ストレスチェック制度とは、従業員のメンタルヘルス不調を未然に防ぐために実施する制度です。

従業員が自身のメンタルヘルスについて意識を高めるとともに、ストレスチェックの結果を集団分析して、職場環境の改善につなげることが期待されています。

しかし、ストレスチェック結果の集団分析を行うにあたって「どのようなメリットがあるのか」「注意点はあるのか」と疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。

この記事では、企業の人事・総務担当者の方に向けて、ストレスチェックの集団分析とは何か、また集団分析を実施するメリットや注意点について解説します。

ストレスチェック制度の規程については、こちらの記事をご確認ください。

  【メンタルヘルス対策】ストレスチェック制度の8つの規程とは 仕事に起因する精神障害で労災認定されるケースも増加傾向にあることから、従業員のメンタルヘルス不調を未然に防ぐ取組みが求められています。その取組みの一つとして法律で定められているのが“ストレスチェック制度”です。この記事では、ストレスチェック制度の8つの規程について解説します。 first call


目次[非表示]

  1. ストレスチェックの集団分析とは
  2. 集団分析における健康リスクの評価
  3. ストレスチェックの集団分析を実施するメリット
  4. ストレスチェックにおける集団分析の注意点
    1. 集団分析の単位
    2. 分析結果の保存期間
  5. まとめ


ストレスチェックの集団分析とは

ストレスチェックの集団分析とは、ストレスチェックの結果を一定規模の集団で集計・分析することです。集団の単位は事業者が業務の実態に応じて判断します。

ここでいう一定規模の集団は、職場環境を共有しつつ、業務内容について一定のまとまりを持つ部署や課のことです。

ストレスチェック結果の集団分析を行うことで、職場の部署・課・グループごとに、ストレス状況や健康リスクを可視化できるようになります。

たとえば、分析結果を踏まえて、「仕事の量・質的負荷や健康リスクが高い」「社会的支援が低い」と判断できる場合は、職場環境の改善に向けた検討が必要です。現状、ストレスチェックの集団分析は企業の努力義務ですが、健康で働きやすい職場環境に改善するためには、実施が望ましいとされています。

出典:厚生労働省『ストレスチェック制度導入ガイド』『労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル



集団分析における健康リスクの評価

集団分析においては、職場の集団におけるストレスチェック結果に、以下の情報を加味しながら、健康リスクの評価を行います。


▼ストレスを評価する項目

  • 業務内容
  • 労働時間
  • 仕事の量・質的負荷
  • 上司、同僚の支援


具体的な集計・分析方法は、使用する調査表やストレスチェック項目によって異なります。職業性ストレス簡易調査票、またはその簡易版を使用する場合は、“仕事のストレス判定図”を用いる例があります。


▼仕事のストレス判定図

画像引用元:厚生労働省『ストレスチェック制度導入ガイド


上記の判定図を用いると、これまでの研究成果から得られている標準集団と比べて、自社の集団にどの程度の健康リスクがあるかの判定が可能です。

出典:厚生労働省『ストレスチェック制度導入ガイド』『労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル



ストレスチェックの集団分析を実施するメリット

ストレスチェック結果の集団分析を行うことで、効果的な職場環境改善策を講じられるメリットがあります。

ストレスを抱えている従業員が多い部署・課が明確になれば、業務内容や現場の実態に即した的確な改善策が検討できます。

集団ごとのストレスの特徴・傾向を分析することで、ストレスの要因そのものを低減するための措置が可能です。その結果、従業員のメンタルヘルス不調を未然に防ぐことにつながります。

集団分析の結果を基に、産業保健スタッフと連携しながら各職場・部署での業務改善を図るだけでなく、管理監督者向けの研修や衛生委員会での活用などにもつなげられます。

また、改善策を実施する際には、医師・保健師などのストレスチェックの実施者や、そのほかの有資格者、産業カウンセラーなどから意見を聞くことも大切です。

出典:厚生労働省『ストレスチェック制度導入ガイド』『労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル



ストレスチェックにおける集団分析の注意点

ストレスチェック結果を集団分析する際は、分析単位や結果の保存に関して注意点があります。ここでは、集団分析を行う際の注意点について解説します。


集団分析の単位

集団分析の単位は、原則として10人以上とされています。

10人以上の集団ごとにストレスチェックを行った場合、従業員の同意を取らなくても、実施者の産業医や保健師から企業に集計・分析結果を提供しても問題ないとされています。

しかし、10人未満の場合には、回答した個人が特定されてしまう恐れがあるため、ストレスチェックを受けた全員の同意がなければ、集計・分析結果は企業に提供されません。

ただし、以下のように個人が特定されないと考えられる方法であれば、10人未満であっても集計・分析結果の提供が可能です。


▼10人未満での集団分析が認められている方法

  • ストレスチェックの評価点の平均値を求める方法
  • “仕事のストレス判定図”を用いる方法


出典:厚生労働省『ストレスチェック制度導入ガイド』『労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル


分析結果の保存期間

ストレスチェックの集団分析結果は、5年間保存することが望ましいとされています。理由は、職場環境を改善するには、ストレス状況の経年変化を見ることも重要といえるからです。

過去の集団分析結果を踏まえたうえで、ストレス状況や健康リスクの変化を適切に把握するためにも、5年間は保存しておくことが望ましいです。



まとめ

この記事では、ストレスチェックの集団分析について、以下の内容を解説しました。


  • ストレスチェックの集団分析の概要
  • 集団分析における健康リスクの評価
  • 集団分析を実施するメリット
  • 集団分析の注意点


ストレスチェック結果を集団分析することで、職場や部署ごとのストレス状況を可視化できるようになり、職場環境改善に役立てられます。

ただし、集団分析を行う際は、個人の特定を避けるために10人以上で実施する必要があります。また、ストレスチェックの集団分析結果は、5年間保存することが望ましいです。

産業医と連携を図りつつ、職場環境改善のために集団分析の結果を有効活用してはいかがでしょうか。

クラウド型健康管理サービス『first call』では、ストレスチェックの実施が可能です。さらにオンラインでの産業医面談も簡単に実施できます。集団分析で気になる部署が見つかった場合も、該当部署の従業員に対して、素早く産業医面談を勧められます。


サービス詳細については、こちらからご確認いただけます。

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遅沢 修平
遅沢 修平
上智大学外国語学部卒業。クラウド型健康管理サービス「first call」の法人営業・マーケティングを担当し、22年6月より産業保健支援事業部マーケティング部長に就任。
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